女子ログ 命をありがとう

 昨日は私の誕生日だった。誕生日には毎年、母が電話でお祝いの言葉をくれる。今年も「おめでとう! で、いくつになったかいな?」。私の年は知っているくせに、わざとらしい。そしてこれも恒例、私を産んだ時の祖父母と父の慌てた様子を細かく実況中継のように話して聞かせてくれる。「いつも同じ話だから飽きたよ」と言うと、「年に1回ぐらいいいじゃない」とうれしそうに返す。

 母は、関節リウマチを55年もの間患っている。診断が下ったのは20歳を過ぎたころだそうだ。当時、「出産は命がけになる」と医師に宣告されたという。病と闘いながら私を産んでくれたのだ。そして私も母親になった。陣痛はこの世の終わりかと思うような激痛だった。健康な人でも命がけの出産に、病身でのぞんだ母。陣痛の痛みも病の痛みも乗り切った精神力に頭が下がる。

 今まで、母の口から「痛い」なんて弱音は聞いたことがない。毎年恒例の電話でも、大変だったとは言わず、「あなたの命でリウマチと闘えるのよ。ありがとう」と言う。普段は照れくさいけれど、たまには素直になろうと思い、昨日の電話では「命をありがとう」と母に言ってみた。母は涙声で「うん」とだけ答えた。

 誕生日は命のつながりを感謝し、生きる力を与えてもらう日。生きることの幸せを実感できる日。改めてかみしめた誕生日である。

   (鳥取市・DJレイ)

2016年11月16日 無断転載禁止