女子ログ 高級枕

 人生の3分の1は睡眠時間が占めるそうだ。寝るのが大好きな私は、人生の3分の2は寝ていると思う。一方、夫が最近よく眠れないと言い出した。大黒柱が倒れたら家族の危機である。そこで寝具を見直すことにした。一式そろえようとするとかなりの出費だが、枕だけでも睡眠の質が良くなると聞いたので、専門店で作ることにした。

 肩から上のあちこちを計測して作る、世界で一つだけの自分専用枕。そのお値段は4万円。たかが枕に?と侮るなかれ。見た目は普通の枕だが、店頭で試したら、まるで頭が宙に浮いてるみたいに軽かった。寝ていても明らかにいつもより体が楽だ。自称「違いのわかる男」の夫はなんと、その高級枕を私にも買ってくれた。太っ腹は見た目だけではなかった。

 その晩いそいそと床に就いた夫は翌朝、「全然違う!」と満足の様子。が、私は初日から2歳の娘に横取りされ、その違いを経験できなかった。今まで枕なんて興味なかったくせに、娘は高級枕に頭をうずめ「気持ちい~。あたしの!」。寝入って枕から離れても、目を覚ますと「まくら!」。私が使っていたペタンコの安い枕にこっそり替えたら「これじゃない!」と怒られた。夫は「さすが俺の娘。違いが分かってる」と親バカ全開。私が高級枕で寝られるのはいつだろう。

 (松江市出身、倉敷市在住・ぽよ美)

2016年11月19日 無断転載禁止