情報科学高校 12月3、4日情報ITフェア

 情報科学高校(安来市能義町)は、昨年度まで行ってきた「情報デパート」を改め、本年度新たに、情報に関する学習を全面的に生かした「情報ITフェア」を開催することにした。「情報デパート」では商品の販売がメインであったが、今回の「情報ITフェア」は人に教えるということがメインとなり、自分たちが学習したことをどれだけ来場者に伝えることができるかがカギとなりそうだ。本ページでは「情報ITフェア」を中心に、情報科学高校の各種取り組み、研究を紹介する。


生徒が先生役講座企画 パソコン教室、VR体験 商業高で全国初

 12月3、4日に安来市にある島根県立情報科学高校で「第1回情報ITフェア」が開かれる。普段の学習を生かし、生徒が先生役を務めることによって、知識・技術・自主性をより高めることを目的とした、全国の商業高校初の取り組みだ。地域の方々や子どもたちとのコミュニケーションの場となり、地域に必要とされるIT技術の拠点であることをアピールする。

情報ITフェアに向けて教材を準備する生徒
 情報科学高では昨年度までは「情報デパート」を行ってきたが、「わが高校を地域のITの拠点とし、自分たちが学んだ知識を発信するような学校行事でありたい」という生徒、教職員の思いの下、今年からは「情報ITフェア」を行うことになった。

 体育館や各パソコン教室では、年賀状やクリスマスカードの作成、レゴロボット、タイピングゲーム(ワープロ早打ち)など、子どもから大人まで体験できるさまざまな講座が企画されている。また、表計算ソフト・EXCELに関する相談コーナーも設けている。

 地域企業によるブースも設置され、高度な技術を体験できるコーナーではVR(Virtual Reality、仮想現実)を体験したり、3Dプリンターの実演を見学したりできる。

 【各パソコン教室での主な講座・見どころ】

 「マルチメディア実習室」ではアニメーション作成を体験できる。専用のソフトウエアを使って、普段できない体験をしてみてはどうだろうか。

 「アプリケーション実習室」では年賀状やクリスマスカード作成が体験できる。完成品は持ち帰ることもできる。今年はオリジナルの年賀状を送ってみてはどうだろうか。

 「システム【2】実習室」には、パソコンに関する疑問を解決するための「エクセル講座」も設けてある。

 「総合実践室」では、ソフトウエアを使ってタイピングゲームができる体験講座がある。ゲームを通して正しいタイピングを身に付けてみてはどうだろうか。

 体育館ステージでは、課題研究「地域研究班」の生徒研究発表、「村田セイサク君」「ドローン」のショー、石見神楽など多くのイベントが催される。

 「情報ITフェア」開催にあたって運営を行う起業家班では、これまで情報ITフェアプレイベントを6回にわたって行ってきた。実行委員長の宮本千里(ちさと)さん(マルチメディア科3年)は「理解しているという『知識』ではなく、使える『技能』にできるようにしたい。また情報ITフェアを通して生徒全員が成長できるようにしたい」と意気込む。
(野口優也、矢頭吏菜(やかしらりな))


ふるさと納税HP制作 安来市から依頼IT甲子園優勝狙う

「楽天ふるさと納税ページ」制作に取り組む生徒
 情報科学高校の生徒が安来市から依頼され、通販サイト楽天市場ふるさと納税ページの制作に取り組む。地元安来市のPR、ふるさと納税の申し込み増加、ふるさと教育の活性化とともに、来年2月に行われる「楽天IT学校甲子園」での優勝も目指す。

 安来市ふるさと納税ページの制作には、パソコンを使った課題研究に取り組む3年生30人が参加。五つの班に分かれ、それぞれ地元安来市について調べ、Web制作指導をしてくださる有限会社平田生花店hana*worldの角侑樹(ゆうき)さんの協力の下、「ふるさと納税の返礼品の紹介ページ」を制作している。

 一方、楽天IT学校甲子園とは、各校の代表1チームが授業で学んだことを楽天市場出店者、および楽天トラベル登録施設運営者の前で発表し、上位3校が決定される。2015年度は57校が参加し、楽天市場版の日本一を決定したほか、7校参加による楽天トラベル版の甲子園も初開催されたイベントだ。

 この楽天市場主催の企画で、高校生がふるさと納税ページのWeb制作を行うのは日本初の試み。情報処理科・一氏寛之(いちうじひろゆき)さん(18)は「とても光栄なことだと思う。良いWebページを作り、楽天IT学校甲子園での優勝を目指したい」と話した。この試みの成功には、情報科学高校、楽天市場、安来市、地元企業の連携がカギとなりそうだ。角さんは「恥ずかしさを捨て、グループ内で協力して良いものを作ってほしい」と期待を寄せる。

 市を背負った仕事に携わることができることを誇りに思い、高校生らしいページ制作をして安来市をPRしてくれることを期待したい。(加藤優佑(ゆうすけ))


企業とコラボ商品開発 ロールケーキ販売 情報デパート継承地域の良さPR

企業と協力して開発したロールケーキ
 体験や講座以外にも、昨年まで行っていた「情報デパート」の内容を引き継いだ商品販売ブースや、フードコートもあるので、ゆっくりと買い物や食事などを楽しむことができる。幅広い年代の方に喜ばれ、安来の良さを伝えられるよう工夫を凝らす。

 フードコートでは、地元の団体や企業に協力してもらい、ケバブ、ステーキ串、ラーメン、焼きそば、豚汁、唐揚げ、ドリンクなどを販売する。昼食の代わりとして提供し、一日通して楽しんでもらうのが狙いだ。

 商品販売ブースでは、安来の特産品・専門高校開発商品を取りそろえている。昨年まで開催していた「情報デパート」で人気だった、出雲農林高校のヨーグルトや隠岐水産高校の缶詰、新たに県外の専門高校開発商品も取りそろえた。

 情報科学高校は祖田風月堂さん(安来市広瀬町)と共同で「ロールケーキ」を開発した。安来の名産品である大麦若葉と清水羊羹(きよみずようかん)が使用されている。生地は分厚くふわふわで、ほんのり香る抹茶の香りが魅力的。2種類のロールケーキがあるので、食べ比べてみてはいかがだろうか。

 商品開発を担当した野間彩花(あやか)さん(情報処理科3年)は「安来の魅力を多くの人に伝えたい。そして地域の方々に喜んでもらいたい」と思いを込めた。(岸本芽衣(めい))



NIE班 新聞製作し学校紹介 文の構成と記事内容工夫

新聞記事の作り方を学ぶ課題研究NIE班
 3年生は、七つの班に分かれて課題研究学習を行っている。その中の一つが私たち「NIE班」である。班の主な活動内容は、「いっしょに読もう!新聞コンクール」への応募や、この「青春はつらつ新聞」の製作である。

 「いっしょに読もう!新聞コンクール」応募では、まず、自分が興味を持った記事を選び、意見を書いた後、ペアでお互いの選んだ記事について感想を述べ合った。相手の意見も考慮しつつ、改めて自分の意見を書き、応募した。この活動を行ったことによって、他人との意見の違いを感じることができた。

 「青春はつらつ新聞」では、皆さんに知ってもらいたい情報科学高校の活動内容について紹介した。伝えたいことをうまくまとめるのが大変だったが、皆さんに分かりやすく伝えることができるように、文の構成と記事の内容を工夫した。

 NIE班の活動についてメンバーに感想を聞いてみた。すると「語彙(ごい)力が上がった」「新聞に以前より興味を持つようになった」「表現力が豊かになり、記事の書き方についても学べた」と、普段、新聞を読まない私たちにとって、NIE班での活動はとてもいい経験になった。日常生活でも文法に気をつけ、正しい日本語を使えるよう意識するようになり、自分自身の成長を実感している。これからもNIE班で活動する時間を大切にしたい。
 (細田菜々子、松田実桜(みお))


【学科紹介】

マルチメディア科  公立高校として全国唯一のマルチメディア科では、コンピューターに関して、主にソフトウエア面の理解を深める。コンピューターグラフィックス、アニメーション、ホームページなどの制作を通して、コンピューターによるデザインや画像の処理などに関する知識、技術を習得する。また、マルチメディアを効率的に活用できる人材を育成している。

情報処理科 コンピューターに関して、ソフトウエア面の理解を深め、ワープロ、表計算、データベースソフトなどの知識と利用技術を習得する。また、簿記、会計の学習や、コンピューターを通してビジネス分野のさまざまな情報を効率的に処理・活用でき、ビジネスの多様な分野で活躍できる人材を育成している。

情報システム科 コンピューターに関して、ハードウエアとソフトウエアの両面の理解を深める。松江市発のプログラミング言語Ruby(ルビー)に特化した学習を展開している。プログラミングの知識、技術を習得するとともに、情報通信ネットワークの利用、管理について学習し、IT関係の業務で活躍できる人材を育成している。

 その他学校全体の取り組みとして、ボランティア活動やプレ情報ITフェアなど地域社会との交流も活発で、地域に根差し信頼される学校を目指している。情報ITフェアでは、情報科学高校ならではの高度な技術を用いた企画が多くあり、情報科学高校の学びを体験できる場になるだろう。

 (藤田綾香、岩佐あみか)



コラム

  3年 宇山友基(ゆうき)

 私が通う情報科学高校では、1年次に全生徒がプログラミングを学習する。全ての生徒がプログラミングを学習することは情報科学高校の特色でもある。そんな中、小学校でプログラミングの授業を必修化する動きがあることを耳にした。

 この動きの背景には、“パソコン・インターネットの普及によって早い段階から知識をつける必要がある”ことや、“プログラミングのスキルが仕事に直結しなくても、論理的思考力を養うことに適した方法である”といった考えがあるようだ。

 私は小学校におけるプログラミングの必修化には賛成である。理由として、小学校である程度プログラミングを学習していれば、中学・高校に上がった時に、例えば数学のように問題文や式から求めたい部分はどこかを考え、判断し、物事をしっかり道筋を立てて考えることができる論理的思考力が身に付くからだ。

 プログラミングでは、「2進数」と呼ばれる「1」と「0」のみを使って数字を表現する方法がある。普段私たちが数値を表現する0~9の10種類を使って表現する方法を「10進数」と言い、2進数で表してある数を10進数に置き換えることも必要になる。私は「プログラミング以外で使うことはない」と思っていたが、数学の授業で2進数をした際に問題をすらすら解くことができた。

 プログラミングで身に付いた考え方が幅広い科目で活用、応用できるので、私は小学校のプログラミングの必修化に賛成である。


編集後記

 今回製作した「青春はつらつ新聞」にもあるように、情報科学高校は地域の方や企業と深く関わりのある学校です。今年から開催される「情報ITフェア」は、昨年までの「情報デパート」とは名称も内容もガラリと変わり、学校全体で協力して準備を行っています。「情報ITフェア」成功のために頑張っている、生徒たちの様子を見ていただけたらうれしいです。

 この新聞を製作するにあたって、新聞はたくさんの人の協力があって初めて読者の方々の元に届けることができる、ということが身に染みて分かりました。この経験を基に、私たちNIE班は今後も新聞の魅力を発信していきたいと思います。

 これからも情報生は資格取得や部活動、そして地域貢献などで積極的に活動していきますので、応援よろしくお願いいたします。最後まで読んでいただきありがとうございました。 (NIE班一同)

2016年11月27日 無断転載禁止

こども新聞