女子ログ 結婚を、しなければ

 「おばあさんが亡くなった」。親からの電話を「ああ、いよいよか」と、どこか冷静に聞いていた。祖母は享年94歳、大往生だった。ここ最近は入所していた施設に会いに行っても、私が誰だか分からなかった。今年の夏を越せるかどうか…と聞かされていたこともあり、何となく心の準備はできていた。

 葬式には親戚一同が集まった。大往生ということもあり、ほとんど誰も泣いていなかった。ずっとぐずついていた天気が、この日だけ驚くほどの晴天だった。拍子抜けするほど穏やかな葬式の様子を眺めながら、私もこんな葬式がいいなあ、と姉と2人で話していた。

 式の最中ふと、いつか自分の親も居なくなる日がくるのだ、という考えが浮かんだ。小さくなった親の背中を見て突然涙があふれた。嫌だ、耐えられない。そんな時がきたら、きっと私は周りの目も気にせず「私も一緒に焼いてくれ!」と火葬場で棺おけにしがみつくだろう。結婚していない私には引き止めてくれる人も、誰かのために何が何でも生きねば、という執着もない。ダラダラと独身生活を謳歌(おうか)してきた私に祖母が問いかけてきた気がした。「誰かいい人おらんかね?」。実家に帰るたび、言われた言葉がよみがえる。

 葬式を終え、クタクタになった体でアパートへと車を走らせる私の心に、小さな決意が湧き上がった。

 結婚を、しなければ。

    (松江市・きの子)

2016年12月1日 無断転載禁止