(27)益田市真砂地区(上) 遊休施設の活用

地元の遊休施設を改修してオープンする交流施設に集う住民たち。住民自身が幅広く活用を手掛ける拠点として期待が集まっている
 住民知恵出し交流拠点に

 JA支所が所有する古びた遊休施設が、しゃれた雰囲気の喫茶店に生まれ変わっていた。

 西中国山地の山あいに位置する益田市真砂地区の中心部で11月中旬、JA真砂支所隣の元購買店舗を改修した交流施設の内覧会が開かれた。木をふんだんに使った明るい内装で、奧には調理場を設け、注文を受け付けるカウンターも備えるなど、なかなか本格的なつくりだ。

 内覧会では、コーヒーや紅茶といった飲み物のほか、イノシシ肉など地元食材を使ったスープを提供。地元の住民たちが次々に訪れ、顔なじみと歓談しながらくつろいだ。立ち寄った同市馬谷町の桐田玉代さん(82)は「仲間同士の憩いの場ができるのはうれしい」と2017年4月のオープンを待ち望んだ。

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 整備したのは、同地区の地域自治組織「ときめきの里 真砂」(大庭完(ゆたか)会長)。同地区では13年度、中学生以上の住民を対象に、地域への要望を調査した。地区内に飲食店や喫茶店がなく、「住民が気軽に集える場所がほしい」との意見が目立ったのを受けて構想した。

 公民館や小中学校が集まる地区中心部に、JA支所の遊休施設があることに着目。JA側の快諾を得て、総務省の自立活性化推進交付金950万円を活用し、改修を決めた。今夏に着工し、秋恒例の「真砂まるごとフェスタ」に合わせてお披露目した。オープン後は、JA側から格安で賃借する。

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 施設は住民主体で運営し、交互に多彩な企画で活用してもらうのが狙い。希望する住民を対象にした会議を年内に開く。同市波田町の元公務員、三谷秀一さん(60)は「プレーヤーとして関わりたい」と意欲満々。イノシシ肉を使ったカレーやチャーシューなどのメニューを提供する飲食店を企画している。

 地区の食生活改善推進員の代表を務める同市波田町の久保田敏枝さん(71)も「自分たちのアイデアを試せる場として楽しみ。地元食材を使った弁当や米の加工菓子などを手掛けたい」と夢を膨らませる。

 「住民の皆さんが主役になり、施設を活気につなげてほしい」と望むのは、地域自治組織の活動を支援する市の地域魅力化応援隊員の岸本真樹さん(38)。喫茶店や交流サロンのほか、特産品や雑貨の販売、子どもの学習支援や異文化交流など幅広い活用を思い描く。

 遊休施設を生かした新たな拠点の開設に、住民自身の積極的な関わりが期待されている。

2016年12月1日 無断転載禁止