(29)益田市真砂地区(下) 地域自治組織

活動内容について打ち合わせをする「ときめきの里 真砂」の大庭完会長たち
 住民主役課題解決に尽力

 益田市真砂地区のまちづくりを主体的に担っているのが、地域自治組織「ときめきの里 真砂」。真砂公民館の大庭完(ゆたか)館長(71)が会長を務め、定住促進や産業振興などを受け持つ「きらめき部会」や、地域運営の次世代の核となる40~50代でつくる「きずな部会」など4部会に住民約40人が参加し、各担当分野で活動している。

 地域自治組織は、過疎化や高齢化が進む各地域の課題解決に住民主役の取り組みを促そうと、益田市が制度を導入。規約や活動計画の策定などで一定要件を満たした組織を認定し、地域魅力化応援隊員の継続配置や自由度の高い交付金支給といった財政支援などを行う。同市内では、地区振興センター単位の20地区のうち、真砂を含む4地区の組織が先んじて2015~16年度にかけて認定された。

 真砂地区は、公民館と小中学校、民間企業が連携し、地元産の豆腐などを使った商品開発や食育を通した地域おこしで成果を上げているとして、総務省の14年度の「過疎地域自立活性化優良事例表彰」で総務大臣賞に選ばれた。地域主体の活動には、一日の長がある。

 地域自治組織の認定を受け持つ益田市人口拡大課地域づくり支援室の塩満正人室長(49)は「真砂の事例を参考にしながら、各地区が独自の活動を編んでほしい」と望む。中山間地域のまちづくりに先駆する真砂地区の取り組みに一層、期待と注目が集まる。

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 地元の真砂保育園に来春、園児6人が仲間入りする。4組のIターン者の子どもたちで、にぎわう声が響く園内を思い描く大庭会長は「里山保育など地域の特色が知られてきた成果。真砂にとって一番の朗報だ」と喜ぶ。

 しかし、地区の16年10月末時点の人口は392人で、04年の平成の合併時から17%減った。一方で、高齢化率は52・6%で、市全体の35・7%を17ポイントも上回っている。遊休施設を活用した新たな交流拠点の開設も、裏を返せば飲食店や喫茶店の不在が要因で、商店や病院、ガソリンスタンドもなく、生活機能の脆弱(ぜいじゃく)さは否めない。

 厳しい現状は、そう簡単には変わらない。周囲からの脚光をよそに、大庭会長は、農業の担い手不足や交通弱者対策など山積する課題を挙げ、「地域が将来、崩壊しないように、必死で取り組んでいる」と吐露する。実績を重ねてきた真砂地区で、新たな組織が挑戦を引き継いでいく。

2016年12月3日 無断転載禁止