女子ログ 「覚えていない」

 高齢者による交通事故の報道が増えた。車がないと生活が成り立たないわが町でも高齢者マークの車は多く、他人事(ひとごと)ではない。先日、スーパーの駐車場でのこと。前を行く車が店舗入り口でいったん停止して同乗者を降ろした後、突然バックしてきた。驚いてクラクションを鳴らすも、間に合わずガシャン。しかし男性は何事もなかったように空きスペースに駐車した。どうしよう。何か言ってくるかな。車内で迷っているうち、あちらは同乗者が買い物から戻り、車はそのまま出ようとした。

 慌てて「さっき当たりましたよね?」と声をかけると男性は「当たったかいね?」。高齢者マークはつけていなかったが87歳の高齢ドライバーだった。やがて到着した警察官に事情を聴かれるうち、男性の証言は「当たったかも」から「覚えていない」に変わった。

 最近の高齢者の運転による交通事故の報道でも「覚えていない」という言葉を耳にした。年とともに記憶力は衰えるものだし、男性もうそはついていないと思う。でも、死亡者やけが人が出ている事故もある。「覚えていない」では被害者は救われない。幸い、私は車の傷だけで済み、修理は保険でカバーされたが、今回の件を機に、車載カメラを取り付けた。いざというとき、互いが真実のもとに気持ちよく解決できるように。

      (益田市・シマ)

2016年12月17日 無断転載禁止