輝(き)らりキッズ 継承に情熱注ぐ兄弟

稽古に励む小桜錬さん、瑠君(左)兄弟=島根県西ノ島町別府、黒木公民館
 隠岐島前神楽(おきどうぜんかぐら)

     奏楽(そうがく)と舞(まい) 楽しく練習

         
       小桜 錬(こざくら れん)さん (西ノ島中3年)
           瑠(るい)君 (西ノ島小6年)


 島根県西ノ島町に、隠岐島前神楽(おきどうぜんかぐら)(県指定無形民俗(みんぞく)文化財(ざい))の継承(けいしょう)に一生懸命(いっしょうけんめい)取り組む中学生と小学生の兄弟がいます。稽古(けいこ)熱心さは町内でもよく知られ、奉納(ほうのう)や舞台(ぶたい)での奏楽(そうがく)、舞(まい)にその成果をいかんなく発揮(はっき)。隠岐の文化発信役としてがんばっています。

 兄弟は、西ノ島中学校(同町美田(みた))3年生の小桜錬(こざくられん)さん(15)と、西ノ島小学校(同)6年生の瑠(るい)君(12)で、2人とも隠岐島前神楽西ノ島同好会(松新俊典(まつしんとしのり)会長、会員数約20人)の一員です。小中学生はそのほか、同中3年の中山涼花(なかやますずか)さん(15)、武田菜花(たけださいか)さん(15)の2人もいます。

 錬さんは、お祭りなどで神楽を見てあこがれ、3歳(さい)で神楽に入門。また瑠君も0歳のころから、母親の真紀(まき)さん(40)と一緒(いっしょ)に錬さんの稽古場に行き、3、4歳ごろから自然に始めていたそうです。

 兄弟は、黒木公民館(同町別府(べっぷ))で月2回ある同好会の稽古で、伝承に取り組む石塚芳秀(いしづかよしひで)さん(65)=同海士(あま)町菱浦(ひしうら)=から指導(しどう)を受けます。さらに家でも真紀さんの太鼓(たいこ)の音に合わせて舞を練習するなど、家族一体となって神楽に情熱(じょうねつ)を注いでいます。

巫女舞の稽古に励む小桜錬さん(左から2人目)、瑠君(左)ら小中学生会員=島根県西ノ島町別府、黒木公民館
 二人とも舞もはやしもしますが、共に「舞が好き」だそうです。特に神楽歴12年目の錬さんについて松新会長(71)も「演目(えんもく)『切部(きりべ)』の舞はしなやか。より魅(み)せる演技(えんぎ)ができるようになれば」と期待を寄(よ)せています。錬さんも「派手過(はです)ぎずシンプル過ぎず、その間くらいのおとなしさと強さをもった舞を目指しています」とその思いを感じながら、練習に励んでいます。

 11月25日夜にあった同好会の稽古では演目「寄(よ)せ楽(がく)」と「巫女舞(みこまい)」に取り組み、兄弟は奏楽に徹(てっ)しました。2人並(なら)んで太鼓をたたき、錬さんは時折心配そうに、懸命にたたく瑠君の方に目をやっていました。稽古を終え、緊張(きんちょう)から開放された瑠君は「楽しいです」と笑顔(えがお)で話していました。錬さんが瑠君をリードし、共に楽しんでいるようです。

 錬さんが尊敬(そんけい)する石塚さんによると、11月から兄弟で舞う新たな演目「随身(ずいしん)」の稽古も始まりました。「子どもなのにすごいという関心は抱(いだ)いてほしくありません。神楽そのものの素晴(すば)らしさを感じてもらえるよう努力するだけです」と、錬さんは今回も強い気持ちを持って稽古に励み、瑠君と共に「本物」を目指します。

 隠岐島前神楽は、同町と海士町、知夫(ちぶ)村の3町村で受け継(つ)がれている神楽で、同じ隠岐諸島(しょとう)の島後(どうご)(隠岐の島町)の神楽より、はやしが速めでにぎやかなことなどが特徴(とくちょう)だそうです。

≪プロフィル≫

【好きな教科】
     美術(びじゅつ)、体育(錬さん)算数(瑠君)

【好きな食べ物】
      リンゴ(錬さん)、ラーメン(瑠君)

【好きなスポーツ】
テニス、バドミントン(錬さん)、バドミントン(瑠君)

2016年12月21日 無断転載禁止

こども新聞