女子ログ 恋の話

 しわくちゃの優しい笑顔で、節くれだった手で頭をなでてくれた祖母のことを、私は私が生まれる前からずっとそのまま「おばあちゃん」だったのだと思い込んでいた。しかし、私が物心ついた頃はまだ50代後半。まだまだ元気で若かったはずだ。

 共働きの両親に代わって、掃除や洗濯をし、ご飯を作ってくれていた祖母は今、リハビリのため病院で過ごしている。そんな祖母から春先に、恋の話を聞いた。「おばあちゃんが恋!?」

 でも、祖母にも20代や10代の時があったのだ。当たり前のことを考えつかなかった自分にも驚きだったが、その「コイバナ」にはもっと驚かされた。「恋のお相手はおじいちゃんではなかった」「好きな人とは家同士のいろいろなことがあって結婚できなかった」。そんなテレビドラマのような話に胸がときめいた。

 それがきっかけで、祖母といろいろな話をした。「おばあちゃんと孫」ではなく女同士として。祖母はお笑いに詳しかったり、EXILEの音楽が好きだったり、一番好きな芸能人は嵐の大野くんだったりと、私よりもイマドキ女子だった。

 それまではお見舞いの時はどんな話をしようと困っていたが、今では何を話そうか考えるのが楽しい。

 来年こそは私の恋の話も祖母に話せますように、というのがひそかな抱負である。

  (安来市・ふかみどり)

2016年12月29日 無断転載禁止