ベストショット 第2セット第9ゲーム

 逆を突く第1サーブ

 硬さのあった初戦と比べれば、明らかに自分のペースで進めた錦織だったが、ピンチがなかったわけではない。2度もサービスゲームを破られ、そのたびに追い付いた第2セット。4-4で迎え、またしてもブレークポイントを握られた第9ゲームで、相手の勢いを止めたのは時速160キロのサーブだった。

 相手は強力な右フォアハンドの持ち主。このゲームはバックハンドでもダウンザラインを決められ、30-40となった。落とせば、第2セットは厳しくなる。

 だが、余裕があった。相手の強みを消すためのバックハンド側のショットも、相手は回り込んでフォアハンドに持ち込もうとしてくる。それでもバックか、意表を突いたフォアか。球種は。コースは。駆け引きの中、次のサーブで相手はバック側と読み、一瞬早く左へ。スピードを抑え、スピンを利かせた錦織の第1サーブが襲ったのは、その逆、相手のフォア側のセンターだった。

 体重を右に移して右腕を伸ばすシャルディー。ボールはフレームに当たって、コートサイドへ飛んだ。これでジュースに持ち込み、キープに成功。勢いは続く第10ゲームのブレークにつながった。

2017年1月19日 無断転載禁止