秋山英宏の全豪リポート かつての好敵手一蹴

 怪物そろう世界で成長

 シャルディーの名前を覚えたのは2005年の全米ジュニアだった。当時15歳の錦織圭を3回戦で破ったのが、18歳のシャルディーだった。

 体格が二回りも違い、パワーの差は明らかだった。ストローク戦で優位に立っても、高速サーブでスコアを振り出しに戻された。第1セット5-2から逆転を許し、錦織は敗れた。正直、世界はこんなにも遠いのか、と実感させられた。

 コート横で試合を見ていたのは、錦織の留学先IMGアカデミーの代表で、アンドレ・アガシらを育てたニック・ボロテリー。カリスマコーチは「ケイはまだリトル・ベイビーだな」とつぶやいた。筆者の頭に、ゴジラのような怪物たちがひしめく男子テニス界に迷い込み、その1頭のしっぽに必死にしがみつく、赤ん坊のイメージが浮かんだ。

 その赤ん坊も今や世界5位。18日の2回戦では、かつてのライバルを3セット連取で退けた。相手の粗さに付け込み、ミスの山を築かせる試合巧者ぶりだった。振り落とされずにしがみついていたから、ここまで来られたのだ。よくぞここまで、という思いもある。

 だが、まだ挑むべき目標がある。その目にアンディ・マリーとノバク・ジョコビッチはどう見えているのか。怪物たちをすべて制圧し、四大大会の栄冠を掲げる日は来るだろうか。

2017年1月20日 無断転載禁止