女子ログ お年玉

 「これで好きなもん買って」と、社会人1年生の長男がお年玉をくれた。けっこうな額だ。彼にこんな高額のお年玉をやったことはない。小遣いだって好きなものが買えるような額ではなかった。もらっていいのか…。罪悪感とともに、過去の出来事がよみがえった。

 彼が8歳の時、私の離婚で転校することになった。私には何も言わなかったが、クラスで最後のあいさつをした時、彼は大泣きした。それを知ったのは半年後。本当は転校したくないのに、私の前では平気なふりをしていたのだ。気付いてやれなかったことを悔い、私も大泣きした。

 その後、激しい反抗期がきた。困り果てていたら、カウンセラーに彼を信じ、それを態度で示すよう言われた。黙って見守るようにと。私は何かあると「大丈夫?」とやかましく聞いた。心配することが愛情だと思っていた。彼にすれば押しつけだったのだろう。見守り体勢に入ったら、徐々に落ち着いた。その後もいろいろあったが、高校卒業のとき「少しはお前みたいな親でよかった」と言われ号泣した。大学生の時には「(荒れたのは)お前のせいじゃない」と言われてまた号泣した。

 お年玉はありがたく受け取り、財布やかばんを買った。「大事にする」と言ったら「また買えばいい。執着するな」としかられた。過去に執着するのは私の悪い癖だ。

 (鳥取県伯耆町・ごま)

2017年1月21日 無断転載禁止