秋山英宏の全豪リポート 3回戦快勝で疲労軽減

 四大大会優勝へ大きな意味

 ラツコにはこれまで2戦2勝。立ち上がりの数ゲームで相手の調子と今の力量も把握した。「(2回戦までの相手より)少し球が遅い」。錦織は序盤から世界ランク121位をねじ伏せにかかった。

 決定打は3セットで46本に上ったが、自分から犯したミスも32本まで増えた。しかし、数字からプレーの粗さをあげつらう必要はないだろう。相手の力を見切った上で、思うがままに攻めた結果だ。伸び伸びと腕を振り、感性に任せてプレーを組み立てた。

 強打の連続には相手もタイミングを合わせやすいのか、逆襲を許す場面もあったが、情勢が変わることもなく、3セットで押し切った。

 四大大会で優勝するには7勝しなければならない。それを考えれば、3回戦での楽勝には大きな意味がある。

 小兵の錦織は、思考力と精神力を総動員し、パワーを頭脳で補うプレーを常に強いられる。ゆえに、激戦のあとは体だけでなく「頭」の疲労が尋常でないという。決勝に進出した2014年全米オープンでは「2週間なのに(疲れが)1か月2か月くらいの重みになって、ぐっと来た」という。

 だが、この3回戦は頭の省エネになったのではないか。4回戦で「生ける伝説」フェデラーに挑むには、最高のウオーミングアップとなったはずだ。

  (テニスライター)

2017年1月22日 無断転載禁止