女子ログ 御利益

 家に長く放置されている神棚があることは知っていた。祖父と祖母が使っていた部屋の高いところにあって、恐らく背の高かった祖父がまつっていたものと思われる。だとすると、祖父が亡くなって30年近くそのままにされていたことになる。大みそか、どこかすすけたその一角を見上げていたら、急に申し訳なく思った。最近、身内に不幸が続いたし、何だか運気も良くない気がする。

 思い立ったが吉日と、紅白歌合戦を尻目に掃除に着手した。積もったほこりを払い、除夜の鐘の音を遠くに聞きながらお神酒を買いに行った。こたつでミカン、テレビの定番の年越しとは違ったが、胸のつかえが取れたようで気持ちよく新年を迎えた。

 神棚をきれいにしたら、仏壇も気になった。今まで母の月命日に拝む程度だったのを、きれいに掃除をして、花を供え、こちらも1日2回手を合わせることにした。1日合計4回手を合わせると、けっこうな時間になる。でも、寝ぼけ眼のまま慌ただしく出かける朝に「拝む」という一動作が入るだけで気が引き締まる。

 正月の間続けていたらすっかり習慣として定着し、1月も半分以上過ぎた今も続いている。神棚、仏壇の両方を整えるために少しだけ早起きになり、ゆっくり時間をかけて朝食を取りながら、「これが御利益なのかも」としみじみ思う年の始めである。(安来市・ふかみどり)

2017年1月24日 無断転載禁止