紙上講演 金城大特任教授 本田 雅俊氏

金城大特任教授・本田雅俊氏
 日本政治の行方

  年内総選挙可能性高い

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が23、24の両日、松江、米子両市であり、金城大(石川県)の特任教授で政治行政アナリストの本田雅俊氏(49)が「日本政治の行方」と題して講演した。本田氏は、安倍晋三首相が宿願とする憲法改正に向け、年内の解散総選挙に打って出る可能性が高いとの見方を示した。要旨は次の通り。

 次期衆院選は「1票の格差」の是正に向けた新たな区割りの周知期間や、連立を組む公明党が重視する夏の東京都議選を踏まえると、10~12月の間となるだろう。来年になれば選択肢が狭まり、「追い込まれ解散」との印象が強くなる。

 野党が一枚岩になれば与党は議席を減らす可能性がある。このため改憲発議に必要な「3分の2以上」の議席確保に向け、日本維新の会との連携強化を急いでいる。

 政権に対する逆風の兆しもでてきている。アベノミクスは始まりから4年が過ぎたが、恩恵を受けていないとの声は少なくない。安全保障関連法に基づく新任務で自衛官が負傷すれば批判の声が上がりかねない。

 他にもさまざまな不安材料があり、どれか一つが直接的な退陣要因にはならないが、ボディーブローのように効いてくるだろう。

 今夏時点での内閣支持率が針路の目安となる。50%以上ならば、政策を総動員し、年内解散に踏み切る可能性が大きい。秋に向け、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による株式運用拡大などで株価を上昇させ、経済での成果を演出したりするだろう。

 ただ、総選挙で「3分の2以上」を下回れば、安倍首相の求心力は下がり、政局の始まりを迎える。下手をすれば、来年9月党総裁選での3選も難しくなる。次期衆院選は安倍首相、自民党、そして日本全体にとって大きな分岐点となりうる。

2017年1月25日 無断転載禁止