出雲の中学生サッカークラブ 練習指導に英語取り入れ

英語を取り入れた指導に取り組む伊藤豊洋さん(右)とアレックス・チェンさん(中央)
 島根県出雲市の中学生サッカークラブが、英語を取り入れたユニークな練習を行っている。発案したのは指導者の伊藤豊洋さん(37)=出雲市古志町。定期的に米国出身の国際交流員を招き、交流員を通じて指示内容を英語で選手に伝える。伊藤さんは「英語力とコミュニケーション力を高め、必要な社会性を身に付けてほしい」と願う。

 クラブ名は「イズモ・フットボール・ディベロプメント・アライアンス」。2016年4月に発足し、市内の1~3年生19人が週3回の練習を重ねる。英語を取り入れた練習は月2回行い、出雲市国際交流員のアレックス・チェンさん(24)が本場のイントネーションで指示を飛ばす。

 24日に同市長浜町の体育館であった練習には16人が参加した。「Go left with a ball(ボールと一緒に左へ)」「Right foot only(右足だけで)」。チェンさんの声に選手は瞬時に反応。内容が分からず困惑する選手に対し、伊藤さんは「聴き取れた単語を基に指示の内容を予想して動こう」と助言した。

 プレー以外では英和辞書を使った英単語ゲームを行う。河南2年の鳥屋尾陽介さん(14)は「最初は半分以上、聴き取れなかった単語が理解できるようになった。サッカーと英語が一緒に楽しめるのが面白い」と話した。

 伊藤さんがクラブを立ち上げた背景には、自身の経験がある。高校卒業後、プロ入りを見据えて群馬県内の強豪クラブで外国人選手と一緒にプレー。英語で意思疎通する難しさと同時に、思いが伝わった時の喜びを知り「英語ができれば世界が広がる」と感じた。21歳で大けがしてプロの夢を断念し、指導者の道を歩み始める中、英語での指導を採用した。

 クラブでは中学卒業時の目標とされる英検3級の合格を目標に掲げ、それぞれが勉強に励む。伊藤さんは「子どもたちに『世界は広い』と知ってもらい、自分自身の新たな可能性を見いだしてほしい」と力を込めた。

2017年1月26日 無断転載禁止