山陰大雪 作物への被害懸念 宿泊施設キャンセル続出

一面の雪に覆われたネギ畑で、生産者から被害状況の説明を受ける平井伸治知事(右)=米子市富益町
 山陰両県を襲った大雪による地域経済への影響が懸念されている。農業分野では、鳥取県特産の白ネギの葉が折れるなどの被害が起きているほか、観光では道路や鉄道網がまひした余波で、両県の宿泊施設の予約キャンセルが続出。県外観光客らの客足が遠のく冬季のダメージを広げている。

 白ネギは、主産地のJA鳥取西部(米子市東福原1丁目)管内で約650戸が栽培。昨年10月に出荷を始めた秋冬ネギは計135ヘクタールで作付けし、うち約23ヘクタールの収穫が残る。同JAによると、畑に40センチ以上積もった雪の重みで、収穫直前のネギの葉が折れる被害が発生。3月の出荷を控えた春ネギの畑約63ヘクタールでも葉折れが見られるという。

 今季は北海道の台風被害による品薄で4割強の高値を呼んでいただけに、農家は商品価値の下落に頭を痛める。25日、米子市の畑を視察した鳥取県の平井伸治知事は「折れたネギを訳あり品として販売するなど、対策を考える」と話した。

 同JA管内では、昨年度に史上最高の14億円を販売した主力のブロッコリーが雪解け水で腐る被害なども懸念され、現場調査を急ぐ方針だ。島根県内は安来、出雲両市でイチゴやブドウ栽培のハウスが倒壊。雪解け後に判明する被害もあるとみられ、今後、影響の拡大が危惧される。

 一方、宿泊施設は相次ぐ予約キャンセルで、旅行客の閑散期に打撃を受ける。

 昨年10月の鳥取中部地震の風評被害に見舞われた鳥取県三朝町の三朝温泉街では23日以降、旅館協同組合加盟の25施設で少なくとも300人のキャンセルが出た。震災から立ち直りつつあるだけに、組合の担当者は「ようやく地震の記憶が薄れつつあったのに…」と嘆息し、「影響が広がらないでほしい」と願った。

 皆生温泉街の旅館「皆生菊乃家」(米子市皆生温泉4丁目)では24日、中国横断自動車道岡山米子線(米子道)の渋滞やJR列車の運休で、関西方面からの客が6件予約を取り消した。ホテル一畑(松江市千鳥町)も23日以降、約50人分の予約が消えた。降雪で立ち往生し、急きょ宿泊した団体バスの旅行客40人に救われ、担当者は「ほっとした」と胸をなで下ろした。

2017年1月26日 無断転載禁止