新幹線接続の不公平

 年に何度か、中国各県から広島に集まる会合がある。その時にいつも感じるのは、鉄道網への不満だ。松江から伯備線を使い岡山で新幹線に乗り継いでも約3時間半。高速バスの方が早くて安い。鳥取-広島は約2時間40分だと聞くとなおさらだ▼新幹線に乗り継ぐまでの時間が違うためで、鳥取から岡山までは1時間50分前後、姫路なら1時間半らしい。山口に行くのも、松江からよりも短時間で着くダイヤがあるという。広島も山口も、鳥取からの方が遠いのにと思う▼伯備線が時間がかかるからだ。松江から約2時間40分かけて岡山に出る間に、鳥取からは新大阪に着く。北陸新幹線を使えば、東京から一昨年開通した金沢にも行ける▼新幹線駅までの所要時間を確かめると、その不公平に驚く。既に全国の県庁所在地の半数以上に新幹線の駅がある。残る県都で2時間を超すのは本州では松江くらい。飛行機が便利な札幌、那覇を除けば、全国でも四国の松山、高知とほぼ同じだ▼山陰新幹線や伯備線の線形改良など構想はあるが、必ず財源や投資効果が壁になる。ただ「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」のたびに経済協力が民間と合わせ数千億円、何兆円と紙面に躍る。外交戦略もその必要性も分かるが、少しは足元の不公平にも目を向けてほしい▼このままでは、東京-大阪間にリニアが開通する2030年代の終盤には、松江から新大阪までの時間と、鳥取から東京に行く時間がほぼ同じになる。高速鉄道網から取り残されるようで割り切れない。(己)

2017年1月30日 無断転載禁止