地元案内のガイド求む

 旅に出て名所に立ち寄った時は、観光ボランティアガイドをお願いする。案内パンフレットを読むよりも地元の話題を盛り込んだガイドの話の方が頭に残る▼先日も和歌山城でガイドを利用した。紀州藩時代に起きた騒動や古代豪族の紀氏の流れをくむ紀伊国造の古い家系など城内展示品の解説にとどまらず、昭和に入ってからの企業進出や地元政治家の話、お薦めの和歌山ラーメン店までいろいろな話を聞き、得した気分になった▼すっかり打ち解けたガイドは、天守閣で和歌山市街を見下ろし、市人口が36万人を切りそうだと嘆いた。島根県は70万人を切ったことを伝えると、「お互い踏ん張りどきやな」と肩をぽん。和歌山を身近に感じ、旅の思い出に色を添えてくれた▼普段から気になる神社や地形を見ると、近くにいる人に聞いてみる。自宅の近所や取材で何度も訪ねた場所でも「へえ~」と驚く話が聞ける。出雲市は、知名度は高くないものの地元住民が推薦する40カ所を「地域が誇る観光スポット」として認定。地元が補助金を活用して案内板や歩道の整備を進めている▼個人的にはハード整備だけでは物足りない。案内板だけでなくそこに暮らす人の話も聞きたい。各地区に住民有志の案内ガイドが増え、コミュニティーセンターなどに立ち寄れば、ガイドを紹介してくれるような仕組みがあればと思う▼気軽に地区を巡る人が増え、さらなる魅力の発見につながるのではないか。地域ファンを増やす鍵は、やはり人なのだと思う。(衣)

2017年1月27日 無断転載禁止