女子ログ ダディの味

 共働きで1歳の娘を育てているわが家。米国人の夫と私は1日交代で夕食を作っている。私が料理をする時に心掛けるのは、なるべく早く作ること。これには私なりの理由がある。仕事が終わり、保育所にお迎えに行ってから、娘の就寝時間まではたったの4時間。この限られた時間を娘に背を向けて料理を作るのに費やすのはもったいない気がするのだ。

 もちろん、家族のためにおいしいものを作ってあげたい。でも、私は娘と一緒に散歩したり、絵本を読んだりする時間のほうが大切だと思っている。だから、私の料理の定番は手抜き料理だ。

 一方の夫は最近、どんどん凝った洋食を作るようになった。理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。「娘に帰ってきてほしいから」。確かに、今は夫にくっついて離れない娘も、大きくなるにつれ、家族より友達との結びつきが強くなるだろう。反抗期だってくるし、いつかは親元を離れて行く。でもたまには、おふくろの味ならぬ「ダディの味」を思い出して帰ってきてほしい。そう思って夫は、料理の腕を磨いていたのだ。しかし、今のところ娘は夫の作る手の込んだハンバーグより、私の作るみそ汁の方を喜んで食べる。和食強し。

 悔しそうな夫に言ってあげたい。ダディの味は今のところ妻の胃袋をしっかりつかんでいますよ。

 (雲南市出身、香川県丸亀市在住・ゆかりんご)

2017年1月28日 無断転載禁止