「082」の謎

 広島市出身のシンガー・ソングライター奥田民生さんは、地元・広島カープの熱狂的なファンとして知られる。昨年秋のセ・リーグクライマックスシリーズでは、始球式で捕手役を務めた▼カープのユニホーム姿で登場したが、なぜか背番号は「082」。1年前に50歳記念ライブを開いた後だけに、「オヤジ」の語呂合わせかと思ったが、しっくり来ない。長らく考えた末、ハタと気付いた。広島市の市外局番だった▼そう言えば、フリーアナウンサーの宮根誠司さんが2年前、古里・大田市のために作詞した愛唱歌のタイトルは「0854-8」。大田の市外局番だ。はたから見ると無機質な数字の羅列に映るが、ともに郷土愛が込められている▼同様に古里を感じさせる数字が郵便番号だろう。今では7桁が当たり前だが、5桁(大規模局は3桁)から変更されたのが19年前のきょうのこと。町域まで区別できるようになり、都道府県や市区町村を記入する必要がなくなった▼ところが、インターネットの普及で郵便物の取扱数は右肩下がり。人件費の上昇もあり、日本郵便は6月1日、はがきの郵便料金を52円から62円に値上げするという。年賀はがきは据え置くとはいえ、郵便離れが進まないか心配だ▼市外局番も影が薄くなるかもしれない。携帯電話の普及で固定電話にかける機会もめっきり減った。市外局番を言われてもピンと来ない若者も多いだろう。便利になるのはいいが「090」や「080」では、歌のタイトルにもなりゃしない。(健)

2017年2月2日 無断転載禁止