世事抄録 おはようの風景

 毎日が日曜日だった私だが、最近、自治会の主任児童委員という役目を仰せつかった。主な活動は毎朝、小学生の集団登校の隊列を見送ること。「おはよう」と声を掛けると大半はまだ寝ぼけ眼の児童たちから、たまに元気いっぱいの「おはようございます」という声が返ってくることがある。そんな頼もしい返事に出合った朝は必ず元気になれる。

 1月18日、快晴の朝。放射冷却現象によってこの冬一番の寒さが記録された。前々日に積もった雪が通学路に残っていて、路面はパリパリに凍っていた。わが家から見守り地点までの間に500メートルの坂道がある。普段の靴では滑って登れず、釣り用のスパイクブーツを履いてやっと歩けた。「子供たちは大丈夫だろうか?」と心配になった。滑って転んでけがをしないだろうか、背中から転んで後頭部を打ったりしないだろうか。いろいろなことを考えながらいつもの所に到着した。

 午前7時半、子供たちの隊列が見えてきた。するとどうだ。キャッキャ、キャッキャと嬌声(きょうせい)が聞こえてくる。大きなランドセルを背負ったまま滑って転ぶ子供、それを見てみんなが笑う。するとまた、隣の男の子がわざと滑って転ぶ。また歓声が上がる。いつもと違って生き生きとして、何と楽しい通学風景だこと。大人の心配事は全くの杞憂(きゆう)だった。

(米子市・さんでぇ毎日)

2017年2月5日 無断転載禁止