女子ログ 尊敬する人

 私の尊敬する人は、母だ。20代までは「尊敬される人」というのは、何か人より秀でた才能があったり、人にうらやましがられる職業に就いていたりするものだと思っていた。親は私から見て特に才能があるようにも思えなかったし、普通の勤め人だし、当てはまらなかった。30代に入り、なぜ母を尊敬するようになったか。昨年の祖父の死をきっかけに、母の生い立ちを少し詳しく知ったからだ。

 母は700キロ離れた山間の地からこの海辺の町にお嫁に来た。祖父の葬儀で母の郷里を訪れ、母の実家で自分の食生活とはなじみのないものを食べ、母の小さい頃の話や近所の人の話を聞き、結婚で母の生活環境がいかに変わったかを実感した。こんなに違う環境の中で3人の子を育て、帰宅するとすぐ寝てしまうくらい仕事に打ち込み、すごく頑張っていたんだな。この年になってようやく思えた。

 大変だったろうに、冗談を言いながら、日々小さな楽しみを見つけて暮らす母。若い頃よりも視力や体力が落ちても、「年寄りじゃけーね」と受け入れ、どこか加齢を楽しんでいるようにも見える。職業や才能じゃなく、置かれた環境に適応してしなやかに楽しく生きるって、すてきだなぁ、すごいなぁと思った。私も小さなことにくよくよせず、母のようにしなやかに生きていきたい。

(益田市・チャッキー)

2017年2月7日 無断転載禁止