猛虎に鈴をつける?

 異例の厚遇をどう理解すべきなのか、思い悩む。何せ相手は超大国・米国の大統領。しかも「希望の同盟」と聞かされていた相手国のトップだ。自国の首相が尊重され、信頼されている証し、と素直に喜べばいいのだろうか▼大統領就任後初の日米首脳会談がワシントンで行われる。会談に続いて大統領専用機に同乗してフロリダの別荘に移動。翌日は一緒に「ゴルフ会談」もするらしい。ただ相手は「虎口(ここう)の難」のような「口撃」で世界に物議を醸しているトランプ氏▼「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の覚悟で臨むような会談の成果を見守りたい。一方で、トランプ氏に反発や敵対する国、勢力からは「虎の威を借る-」と見られかねない。世界の反応に一抹の不安もよぎる▼ともにゴルフ好きで、特にトランプ氏の腕前は相当らしく、「たくさんの商談をグリーン上でまとめた」と伝えられる。おまけに場所はトランプ氏のホームコース。うまい話の裏に「虎視眈眈(たんたん)」の思惑が潜むとすれば「竜虎相(あい)搏(う)つ」ゴルフ対決も油断できない▼「米国第一」を掲げるトランプ氏が狙うのは、自国に有利な通商条件なのか日本の防衛負担なのか。それとも、その両方なのか。「虎の尾を踏む」ような事態は避けたいところだし、かといって「騎虎の勢い」で突き進んでしまえば、行きつく先が心配になる▼うまく、猫のように首に鈴をつけられれば世界が驚くだろうが、同じ猫の仲間でも相手は「猛虎」に近い。日本の首相のお手並みを世界が注視している。(己)

2017年2月9日 無断転載禁止