きらめく星 あと星

冬の東空=1月19日午後7時ごろ、大田市山口町で撮影(さつえい)
すばる、からすき星の後に昇(のぼ)る

ベテルギウス、リゲルなどと星には外国語の名前が付いていますが、日本各地には、和名(わめい)といって、日本語の星の名前も伝わっています。記録によると、かつて松江(まつえ)あたりで「あと星(ぼし)」と呼(よ)ばれた星が二つあったそうです。

 そのうちの一つは、「すばるのあと星」です。「すばる」は、おうし座(ざ)にある星の集まりプレアデス星団(せいだん)の和名です。すばるの後に昇(のぼ)ってくるということで、同じおうし座のアルデバランという星を指しています。実はアルデバランの意味も「後に続くもの」で、偶然(ぐうぜん)にも同じ発想なのです。

 もう一つは、「からすきのあと星」です。「からすき」とは田畑を耕(たがや)すための昔の農機具(のうきぐ)で、オリオン座の真ん中に並(なら)んだ「三つ星」が、「からすき星」という別の和名でも呼ばれました。からすき星の後に続く星とは、おおいぬ座のシリウスのことです。

 星は一晩(ひとばん)のうちに、東から西へと進んでいきます。木星(もくせい)や土星(どせい)などの惑星(わくせい)を除(のぞ)けば、すべての星が同じように動くため、星の並びは変わりません。後ろの星が前の星に追いついたり、追い越(こ)したりはしないのです。あと星と似(に)た呼び名はほかの地方にもあり、昔の人々は、星が空をどの順に昇り進んでいくかをよく意識(いしき)していたようです。

 すばる―あと星―からすき星―あと星の並びは、ほぼ一直線で探(さが)しやすくなっています。冬の夜空でよく目立つからすき星、つまりオリオン座の三つ星を手がかりにすれば、残りの三つもすぐ見つかることでしょう。

 ちなみに、こいぬ座のプロキオンという星は、「犬の前に」という意味を持ち、犬の星とされるシリウスが出るより少し前に東の空に昇るのでこの名があります。こちらもやはり、星が出る順番から付けられた名前です。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2017年2月8日 無断転載禁止

こども新聞