仕事みてある記 伝えたいことが伝わる工夫凝らす

「読者に伝わりやすいように工夫し、楽しんでもらうためのお手伝い」と本作りに取り組んでいる上野智美さんと佐古悠太さん=米子市富益町、今井印刷
  本作り

  編集(へんしゅう) 上野 智美(うえの ともみ)さん
  装丁(そうてい)  佐古 悠太(さこ ゆうた)さん  (米子市富益町)



 「文章だけのものを読者に伝わりやすいように工夫(くふう)し、楽しんでもらうためのお手伝いです」。米子(よなご)市富益(とみます)町、今井印刷(いまいいんさつ)で、本の編集(へんしゅう)部に所属(しょぞく)する上野智美(うえのともみ)さん(30)と、表紙のデザインなど装丁(そうてい)を担当(たんとう)する佐古悠太(さこゆうた)さん(36)は、魅力(みりょく)的な本を作ろうと、情熱(じょうねつ)を注(そそ)いでいます。


 出版依頼(しゅっぱんいらい)や企画提案(きかくていあん)など、本作りの始まりはさまざまです。出版が決まると、編集者がテーマや内容(ないよう)、ページ数、構成(こうせい)などを考え、執筆(しっぴつ)者に依頼(いらい)。同時にデザイナーやカメラマンに本のイメージを伝え、表紙のデザイン、イラスト制作(せいさく)、写真撮影(さつえい)などを手配し、具体的に動き出します。

 装丁担当者は著者(ちょしゃ)や編集者の意図(いと)に沿(そ)って文字の大きさ、形、色、配置する位置などイメージを絞(しぼ)り、手触(てざわ)りや色あいなどを考えて紙選びも。パソコンに向かい、素材(そざい)を作り写真やイラストも配しながら、内容を効果(こうか)的にアピールし、読者の目を引くようデザインしていきます。

 「イメージにどう近づけるか、読みやすく不快(ふかい)感を与(あた)えないか、という点を一番大切にしています」と上野さん。佐古さんは「楽しく、面白く思えるように、自分が感じたことが伝わるように表現(ひょうげん)していきます」

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 出版する本の内容を管理(かんり)するのが編集者です。名古屋(なごや)市出身の上野さんは、茨城(いばらき)県内の短期大学でデザインを学んでいた時、本作りに関心が高まりました。最初に就職(しゅうしょく)した東京の大手出版社で編集分野に面白さを感じ6年間、携(たずさ)わりました。

 装丁は作品やテーマに合わせて表紙などをデザインする仕事。倉敷(くらしき)市生まれの佐古さんは、東京の美術専門(びじゅつせんもん)学校で本作りやデザイン全般(ぜんぱん)を学んでいるうち、ときめきを感じ装丁を専攻(せんこう)しました。卒業後は語学関係の本の装丁、パンフレットや広告などのデザイナーを経験(けいけん)しました。

 出版する本は絵本、図鑑(ずかん)、写真集、ガイドブックなどさまざまです。「編集者は最初の読者です」。原稿(げんこう)の書き直しや書き込(こ)みも依頼、見出しや写真、イラストをあしらい、理解(りかい)を助ける解説を設(もう)けるなど工夫を凝(こ)らします。装丁も複数案(ふくすうあん)用意します。仕上がりまで2度、3度と修正(しゅうせい)・改良を重ねていきます。苦労もあった分、完成すると達成感がこみ上げる、といいます。

 「鳥取、島根には、都会から見ると素晴(すば)らしいことや物がたくさんあります。足を運びたくなる所、食べてみたくなる物など、魅力を発信する本を作りたいです」。担当は違(ちが)っても思いは同じでした。


★メッセージ

 興味(きょうみ)があることも、ないことも、チャレンジしてみて。知っている方が選択(せんたく)の幅(はば)も広がり、知らないより何かが違います。学校の勉強も必ず役立ちます。物事は肯定(こうてい)的に考える方がいいです。面白いところや楽しいことを見つける癖(ぐせ)を付けると、アイデアの発想力がつきますよ。

2017年2月8日 無断転載禁止

こども新聞