第二のHV

 エンジンとモーターを併用するハイブリッド(HV)自動車で、トヨタ自動車の累計販売台数が1千万台を突破した。販売網は90以上の国・地域に広がるという世界初の快挙で「HVのトヨタ」を印象付けた▼日本が技術をリードするHVが世界の先頭に立つ一方で、農産品の世界進出は遅れ気味だ。自民党の小泉進次郎農林部会長は、都内の講演で「日本の農業生産額は世界10位なのに、輸出が60位に甘んじる国ではない。少なくともトップ10に入る可能性はある」と断言した▼打開策は安全性を証明する国際認証を農家に取得してもらうこと。2020年東京五輪・パラリンピックでは期間中、選手らに出す食材を調達するために国際認証の取得が必要になる見通しだ▼小泉氏は「東京五輪に食材を出すことが、その後に農家のブランドになる」と強調。日本の農産物の輸出拡大にもつながるので、取得を後押ししたいとした▼英国では12年ロンドン五輪に合わせて農家の9割が国際認証と同等の基準をクリアしたが、日本の農家の取得率は1割にも届かない。小泉氏は「全ての農業高校に(国際認証を学ぶ機会を)必修にし、30~40年かけて認証が当たり前と思う人材を育てたい」との構想も披露した▼HVが世界で普及し「普通のクルマ」になるまでには、日本企業の不断の技術革新と営業努力があった。地域ごとに事情は異なるだろうが、全国で意欲ある若い農業者と、高齢で経験豊富な農業者が融合すれば、第二のHVも夢ではない。(敬)

2017年2月21日 無断転載禁止