障害者写真コンテスト 佐々木さん(浜田)全国金賞

撮りためた作品を前に、写真撮影の魅力を語る佐々木勝巳さん=浜田市内
 聴覚に障害がある島根県浜田市内のアマチュア写真家・佐々木勝巳さん(54)が滝を題材に撮影した作品「滝花火」が、日本障害者リハビリテーション協会(東京都)が主催する2016年度の「障害者による書道・写真全国コンテスト」の写真部門で金賞に選ばれた。無数の水しぶきが散るさまを捉え、大輪の花火になぞらえた。「感性を研ぎ澄まして撮る」と写真の魅力に引かれ、障害のある人への広がりも望む。

 受賞作は、邑南町日和の「蜘蛛居(くもい)滝」で15年夏に撮影した。シャッタースピードを遅めに設定し、水が滝つぼに勢いよく流れ落ちる瞬間をズームレンズで狙った。黒い岩肌を背景にした水しぶきが夜空に開く花火のように映え、日に照らされて黄緑色に浮かび上がったコケは山を思わせる。審査員から「飛び交う水しぶきにクローズアップするなど魅力的な作品」と評価された。

 病気で幼少期に耳が不自由になり、30代後半だった02年、旅行で訪れた広島県内の滝に魅せられ、撮影に没頭し始めた。浜田市旭町丸原の刑務所・島根あさひ社会復帰促進センターで受刑者に手話を教える仕事の傍ら、週末を利用して中国地方を中心に滝を巡り、訪れた100カ所以上の滝でシャッターを切り続けてきた。

金賞に輝いた作品「滝花火」
 本格的に写真を始めてから15年目に、知人に勧められて応募し、写真部門180点の中から金賞10点の一つに選ばれた。これまでに個展を2回開き、市レベルのコンテストで入賞したこともあったが、初めて挑戦した全国規模のコンテストで思わぬ快挙。「驚いたが、受賞できてうれしい」と喜ぶ。

 ファインダーをのぞく心構えは「他の人とは違った写真を撮ること」と表現に個性を追求。「海の波しぶきも撮影してみたい」と新たな対象にも関心を向ける。

 浜田市聴覚障害者協会の事務局長で、行政職員を対象に、聴覚障害者への窓口対応の仕方を教える出張講座の講師を務めるなど、健常者と障害者が分け隔てなく暮らせる社会づくりに力を注ぐ。「障害のある人にも写真の楽しさが伝わり、仲間が増えるとうれしい」と願う。

2017年2月21日 無断転載禁止