固有の領土

 韓国は縁故資本主義の色彩が濃いと言われる。政治や血縁などを通じて利害が誘導されやすい風潮を指す。言い換えれば政治と経済が癒着しやすい。政治に近いとされる韓国経済を代表するサムスングループの経営トップが、朴槿恵(パククネ)政権周辺への贈賄容疑で逮捕された。政治は大統領の弾劾訴追で求心力を失い、経済は経済で屋台骨のトップにお縄がかかる▼隣国の混乱は日本にも影響が及ぶ。釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦少女像は日韓合意にもかかわらず撤去されず、抗議のため日本に一時帰国させた駐韓大使の帰任も遅れている▼その中で今日島根県が制定した12回目の「竹島の日」を迎える。昨年から始まった国民交流会も開催され、関係者が意見を交わす。今年は竹島(韓国名・独島(トクト))に関する教育が話題となりそうだ▼竹島について「日本固有の領土」と小中学校の次期学習指導要領の改訂案に明記された。固有の領土という表現が教育現場でお墨付きとなるが、竹島を含む日本の領土に関する教科書の記載はおそるおそるというところがある▼1970年代に入って一部の教科書で北方領土に細々と触れていたが、その後尖閣諸島、竹島にも広がり記述の分量も増えていく。その時々の政権の意向を忖度(そんたく)しながら、表現を微調整してきた歴史でもあるようだ▼あらためて固有の意味を調べたところ「個有」は間違いと辞書に注意書き。竹島問題は島根県の個有ではなく国民共有の主権に関わる。辞書に教わるまでもない。(前)

2017年2月22日 無断転載禁止