鳥取の風景を漫画に

 鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさんが亡くなった。作品を読み返そうと「孤独のグルメ」を古本屋で購入。鳥取のローカルフード「素ラーメン」が登場する回で市役所周辺が写実的に描かれており、懐かしくなるとともにPR効果に思いをはせた▼鳥取県の風景が出てくる漫画を探したことがある。鳥取砂丘は「キン肉マン」(ゆでたまご)や「暗黒神話」(諸星大二郎)に登場。「ワイルド7」(望月三起也)には米子市がモデルとみられる都市が出る▼「タッチ」(あだち充)では鳥取市民体育館をリアルに描写。全国高校総体・新体操の会場という設定で、近くの袋川河川敷は、新体操選手のヒロインを追ってきた主人公が告白するヤマ場の舞台になった▼まんが王国鳥取として、漫画に鳥取県の風景を描いてもらうように売り込み、背景画の素材集を作ってインターネットで公開してはどうか。境港市出身の漫画家、故・水木しげるさんが作画の効率化のためあらかじめ描きためた背景画を切り貼りしていたと聞き、思いついた▼地元の人しか分からないような風景がさりげなく出る程度が面白い。鳥取市なら、クスノキの大木がある瓦町ロータリーや、久松山をバックにした若桜橋か。どの漫画にどう使われるか探す楽しみもある▼鳥取県岩美町や倉吉市のように漫画・アニメの舞台のモデルになった町がファンを呼び込んでいる。映画ロケ地誘致のような運動は漫画でも成り立つだろう。谷口漫画の緻密な描写に、その可能性を見いだす。(志)

2017年2月23日 無断転載禁止