世事抄録 情報の大切さ

 先般、JR山陰本線で特急を利用したときのことだ。改札を通ってホームに出ると、構内アナウンスが「恐れいりますが」で始まった。嫌な予感は的中し、小生が乗るはずの特急は大幅に遅れるとのこと。原因やその後の見込みなどについての言及は無かった。

 その後、小生ら乗車予定者数人をホームに残したまま新しい情報の提供はなく、結局、1時間半後にやってきた別の特急(定時運行)に乗り込み、無事に(といっても当然1時間半遅れだったが)目的の駅へ到着できた。要するに、最初の特急は突然運休し、「幻の特急」になったのだった。

 本稿は運休へのクレームではない。列車の安全運行のためにはやむを得ず運休する場合も当然ある。問題は、情報提供が不十分だったことだ。若干の皮肉も交えて言えば、人間にとって情報不足がこれほどに不安を大きくするものかと、改めて「いい勉強」をした。

 恐らく運行者側にも情報の錯綜(さくそう)などがあっただろうし、あいまいな情報の提供は適切ではない、という配慮があったのかもしれない。しかし、乗客は情報ゼロが一番不安なのだ。完璧な情報でなくてもいいので、定期的に可能な範囲の情報を提供することによって不安をかなり取り除いてくれるはずだ。冬の駅のホームでそんなことを感じたが、皆さんはどう思われますかな。

  (島根県津和野町・柊)

2017年2月26日 無断転載禁止