幻の「広浜鉄道今福線」 眠る遺構ウオーキング大会

下長屋トンネルの中を見学する参加者
 浜田、広島両市を結ぶ鉄道として計画され、建設段階で中止となった広浜鉄道今福線の遺構を見学するウオーキング大会が26日、島根県浜田市金城町内であった。市内外から約130人が参加し、全長1600メートルを超えるトンネルなど地域に眠る遺産を歩きながら、幻の鉄道路線の魅力に触れた。

 今福線の魅力を広めようと、同市金城町今福の今福公民館が昨年に続いて企画。同公民館を発着点とし、1940年に工事が中止した旧線と、80年に工事が中止した新線を巡る全長約5・5キロのコースを設定した。

 参加者は、今福線ガイドの会の山本久志さん(57)=浜田市佐野町=とともに、土木学会選奨土木遺産の4連アーチ橋や旧線と新線の分岐点などを見学。山本さんは、太平洋戦争の戦況悪化による鉄不足が原因で線路が掛からなかったことなどを説明した。

 コースの終盤にある「下長屋トンネル」は全長1633メートルで、島根県側の新線で完成している3本のトンネルの中では最長。参加者は暗闇の中を懐中電灯を手に散策し、中間地点で変化する工法などを興味深げに眺めた。

 初めて参加した会社員の佐々木政治さん(63)=同市金城町今福=は「とても勉強になった。地元に残る魅力的な観光資源をさらに活用してほしい」と話した。

2017年2月27日 無断転載禁止