にぎわい戻れ日御碕 観光の魅力向上へ始動

和布刈神事で来場者につみれ汁を振る舞う宇龍区の住民
 日御碕神社や出雲日御碕灯台で知られる島根県内有数の観光スポット、出雲市大社町日御碕地区の住民有志が観光地としての魅力向上に動きだしている。1970年代に年間200万人を超えた観光客は近年100万人台に減り、土産店や宿泊施設も半減。にぎわいを取り戻そうと、魅力を詳しく伝えるガイドツアーを4月に始めるほか、海産物を活用した特産メニュー作りに乗りだす。

 日御碕は出雲大社から足を伸ばす観光客が多いが、近年の入り込みは年間100万人台前半で、2015年は118万人にとどまった。宿泊施設や土産店は計20店に減っている。

 機運が盛り上がったのは16年。日御碕を含む大山隠岐国立公園が、訪日客誘致へ受け入れ態勢を重点整備する環境省のモデル事業に選ばれ、島根半島周辺の一帯では日本ジオパーク認定を目指す官民の推進協議会が発足した。

 好機を逃す手はないと市大社支所が自治協会に呼び掛け同年夏、勉強会に着手。自治協会や民宿組合、土産店組合の30人が、大分県の温泉地・湯布院で観光振興に携わった愛媛大の准教授を迎えて3回、課題や資源を洗い出した。

 勉強会を踏まえ、手始めに17年2月、日御碕の宇龍区であった和布刈(めかり)神事で、住民がつみれ汁やブリの刺し身で来場者をもてなした。今後、民宿や土産店の各組合などが夕日を活用した観光メニュー、ワカメやブリなど特産品を使ったメニュー作りを具体化する。

 若手も呼応した。地元を盛り上げようと14年に地区出身の20~30代でつくった「ミサキどっとCome(こむ)」(安田大輔代表)は、日御碕への路線バスが4月に大幅減便になり、観光客が減る懸念からガイドツアーを企画。地区に詳しい60~70代の女性3人にガイド役を依頼し、90分500円で灯台や神社など名所を案内する内容を想定している。

 出雲市は17年度一般会計当初予算案に日御碕での周遊体験型ツーリズム事業に250万円を計上し、後押しする。灯台のライトアップなど宿泊を伴う滞在型ツアーを一緒に練る計画だ。自治協会の矢利安雄会長(73)は「とにかく動いて前に進みたい」と話している。

2017年2月27日 無断転載禁止