女子ログ 男前な女

 営業課の同僚・M主任はアラサーの独身女性。誰よりも仕事ができ、段取りもよく、終業時間ぴったりにデスクを片付けて帰ってゆく。その後ろ姿は「男前」という言葉がぴったりだ。低く通る声の持ち主で、何を言われても説得力がある。

 ある日、上司と口論になってイライラしていたらM主任が「そういう時は一人カラオケ!」とアドバイスをくれた。一人カラオケなんてしたことがなかったが、M主任の言うことならとその週末、勇気を出して彼女行きつけの店に出かけた。

 初めの1、2曲は、たった一人で歌っているのが気恥ずかしかった。でもすぐに調子が出てきた。誰の目も気にせず感情を込めて歌っていると、何だか元気が湧いてきて、自分もいつかM主任のような男前な女になれるのではないかという気がしてきた。

 M主任は私より10年下。これまで憧れの人というのは年上の人だと思っていたが、最近は年下のすてきな人によく会う。年下に魅力的な人が多いのか、単に私が年を取って周りが年下ばかりになったのか。いずれにせよ年齢に関係なく、身近に憧れの人がいるのは幸せなことだ。

 週明け、M主任に「一人カラオケデビューしてよかった!」と伝えたら「次は一緒に行きましょう」とクールに誘ってくれた。やっぱりM主任は「男前な女(ひと)」だ。

 (雲南市出身、香川県丸亀市在住・ゆかりんご)

2017年3月1日 無断転載禁止