輝(き)らりキッズ 石見神楽に魅せられ「留学」

稽古に励む宮崎俊輔君=島根県美郷町都賀西、小尾山八幡宮の神楽殿
稽古(けいこ)や舞台(ぶたい)充実(じゅうじつ)の日々

    埼玉(さいたま)から母親の古里 美郷(みさと)に

     宮崎 俊輔(みやざき しゅんすけ)君  (大和小4年)

 島根県西部に古くから根付く石見神楽(いわみかぐら)。豪華(ごうか)な衣装(いしょう)に迫力(はくりょく)の舞(まい)、リズミカルなはやしで見物客を魅了(みりょう)します。そんな伝統芸能(でんとうげいのう)のとりこになり、自らの意思(いし)で親元を離(はな)れ、母親の古里である美郷(みさと)町に神楽留学(りゅうがく)している小学生がいます。祖(そ)父母と一緒(いっしょ)に暮(く)らしている町立大和(だいわ)小学校4年の宮崎(みやざき)俊輔(しゅんすけ)君(10)です。先輩(せんぱい)たちの指導(しどう)を受けながら稽古(けいこ)に励(はげ)み、舞台(ぶたい)にも立つなど充実(じゅうじつ)した日々を送っています。

 宮崎君が神楽と出会ったのは3歳(さい)の時です。美郷町都賀行(つがゆき)の祖父母宅(たく)を訪(おとづ)れていた際(さい)、公民館であった上演(じょうえん)会に出掛(でか)け、迫力の舞台に心を奪(うば)われました。祖父の富永文雄(とみながふみお)さん(69)と祖母の淳子(じゅんこ)さん(65)は「動かずに見入っていた」と振(ふ)り返ります。それ以来、毎年のようにお宮の秋祭りなどに出掛けては神楽を見続けました。

 自宅があるのは、埼玉(さいたま)県鶴ヶ島(つるがしま)市です。普段(ふだん)は神楽を見られないため、祖父母に頼(たの)んで神楽のDVDを送ってもらい、何度も鑑賞(かんしょう)したと言います。近隣(きんりん)の県で上演会があると聞くと、両親に頼んで出掛けるなど、神楽熱は冷めることがありませんでした。

高橋龍夫代表(左端(はし))から指導を受ける小中学生=島根県美郷町都賀西、小尾山八幡宮の神楽殿
 三度のご飯より神楽が好きで、小学生になったら美郷町に住みたいと言っていたという宮崎君。神楽留学を始めたのは小学3年生からです。2年生の夏休みに「どうしても美郷町に来る」と言い、半年経(た)っても気持ちが変わらなかったため、両親も了解(りょうかい)しました。

 現在(げんざい)、所属(しょぞく)しているのは「都賀西(つがにし)子ども神楽」です。小学2年から中学3年までの6人が毎週土曜日の夜、同町都賀西にある小尾山八幡宮(ほそおやまはちまんぐう)の神楽殿(でん)で、稽古に励んでいます。

 2月上旬(じょうじゅん)に記者が訪ねると、メンバーが演目(えんもく)「塵輪(じんりん)」を熱心に練習していました。最年長で大和中学校3年の金森由恕(かなもりよしゆき)君(14)が「もっと腕(うで)を伸(の)ばして」「動きが小さいと衣装が見えない」などと熱心に指導し、宮崎君は見よう見まねで腕や足を動かすなど、所作(しょさ)を覚えようと懸命(けんめい)でした。金森君は「やる気があり、のみ込(こ)みも早い」と目を細めます。

 宮崎君は3年生の時に初舞台を踏(ふ)んで以降(いこう)、これまでに、子ども神楽共演大会や敬老(けいろう)会など10回以上の出演を果(は)たしました。「見てくれた人から『うまかった』と言ってもらえると、また出演したくなる」と楽しさを実感しています。

 埼玉県から友だち家族が来県した際には、子ども神楽のメンバーらと一緒に演目を披露(ひろう)するなど、都市部との交流も行っています。

 同子ども神楽の高橋龍夫(たかはしたつお)代表(77)は「仲間を増(ふ)やし、石見神楽を盛(も)り上げていってほしい」と期待しています。宮崎君は「いろいろな演目を覚え、もっともっと上達したい」と意気込んでいます。

≪プロフィル≫

【好きな教科】算数と音楽
【好きな食べ物】おにぎり
【趣味(しゅみ)】剣道
【将来(しょうらい)の夢(ゆめ)】 
        いろいろな県で神楽を舞うこと

2017年3月1日 無断転載禁止

こども新聞