(35)浜田市岡見地区(下) まちづくり計画

まちづくり計画について詰めの議論をする森井剛会長(中央)らメンバーたち
活発議論 住民自ら処方箋

 「各部会で多面的に内容を練ってもらった。計画が、地域の発展につながることを期待する」

 浜田市三隅町岡見地区の住民組織「岡見地区まちづくり推進委員会」が2月24日夜、同町岡見の岡見公民館で開いた会合。地域活性化への取り組みをまとめた「まちづくり計画書」の完成に向けた詰めの議論の冒頭で、森井剛会長(78)が、策定委員14人を前にして言葉に力を込めた。

 5カ年の計画書には、2015年10月に開いたワークショップで出た課題と、それに対応するための目標や方策がずらりと並び、同委員会を構成する「文化広報」「生活環境」「健康福祉」「防犯防災」の4部会ごとに振り分けられている。

 16年6月から、同委員会や自治会の代表者ら策定委員が毎月2回、同公民館に集まり、議論を重ねてきた労作。市から活動助成金を受けるためにも必須の計画で、17年度からのスタートを見据えて内容を固めた。住民意識の共有に向け、約500戸に全戸配布する。

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 活発な議論の背景には、地区の先行きへの危機感がある。11年3月に1351人だった人口は、5年間で126人減り、1225人まで落ち込んだ。高齢化率も36・4%だったのが、40%を超えた。基幹産業の漁業や農業の後継者難もあり、地域の活力衰退が、唯一のスーパーの閉店など苦境を招いた。

 計画書に挙がった課題は「買い物が不便」をはじめ、「空き家が多い」「交通の便が悪い」など25項目。買い物弱者対策は、4部会全体で取り組むとした上で、計画策定に先立ち、自主運営のマーケットを既に開設。議論の過程で課題をすくい上げ、対処につなげた。同委員会としては初めて作る計画が、将来に向けた処方箋となる。

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 40回に近い歴史を誇る公民館まつりや、涼を呼ぶ団扇(うちわ)と、地域の内輪の集いをかけた「うちわ祭り」などで住民交流やにぎわい創出を図っている岡見地区。行事予定などをきめ細かく掲載している広報紙「もやい」は、外国航路の船長を務めた経歴を持つ森井会長が「船を互いにつなぎ止める」という意味の「舫(もや)う」から名付けた。

 「岡見の人やもの、自然に磨きをかけ、笑顔があふれる地域にしたい」。住民間のつながりを大事にする森井会長が先頭に立ってまとめた計画書を3月末、市に提出する。

=おわり=

2017年3月4日 無断転載禁止