知りたい、伝えたい気持ち

 先日表彰式があった「第5回しまね小中学生新聞コンクール」には島根県内の195校から8268点の作品が寄せられた。参加校、出品点数ともに過去最多で、学校や家庭で新聞作りが定着してきていることが分かる▼途中の審査を受け持ち、今年も多くの力作に見入った。大人にはない視点で作られた紙面に「知りたい気持ち」が表れ、手書きの文字や工夫されたレイアウトに「伝えたい気持ち」がにじむ▼印象に残った作品は数々あるが、小学4年生最優秀賞の「おこめ作り新聞」は稲作をする祖父を取材。1年の工程を円い表に分かりやすくまとめ、「おじいちゃんはすごいと思いました」と記す。新聞作りを通じて家族の絆を強め、農業のさまざまな問題に関心を広げていた▼コンクールは島根県で20年以上続く、教育に新聞を生かすNIEの一環。記者が出向く新聞教室ではインターネットの普及で怪しい情報も飛び交う昨今、さまざまなスタッフが記事に目を通し、確かな情報を届けることに苦心する現場を伝える▼「新聞にはたくさんの思いがつまっていると感じた」「これからは世界や日本のことをもっと知るために読もうと思う」。出雲市の中学校であった新聞教室で生徒から寄せられた感想に元気をもらった▼児童生徒は知りたい気持ち、伝えたい気持ちを持ち続けてほしいと思う。国内外は混迷の度合いを深めている。「社会の窓」である新聞を通して、世の中に対する関心を抱き続け、自分の頭で考える大人になってほしい。(輔)

2017年3月5日 無断転載禁止