ガンダムとワンピース

 経営戦略コンサルタントでコラムニストの鈴木貴博さんは世代間のギャップを愛読していたマンガの違いをキーワードに読み説く。1960年代生まれは、タテ社会重視の「ガンダム世代」。80年代生まれは、横のつながりを大切にする「ワンピース世代」と定義する▼ガンダムは、ひ弱な主人公が軍隊組織の中で鍛え上げられ、戦いの意義にどこか疑問を持ちながらも、戦士として成長していく。ワンピースは、主人公が結成した海賊団に上下関係はなく、仲間同士だ。それぞれ独自の目的を持つ緩やかなつながりだが、仲間のピンチには、もちろん自己犠牲はいとわない▼この例えは米子市内の経営者への取材中にも聞いた。中間管理職と若手社員の気質をどうつかんで組織を動かしていくのか。考える中で鈴木さんの指摘に出合い膝を打ったそうだ▼この経営者は50年代生まれの「あしたのジョー」世代。仕事に対するモーレツぶりはガンダム世代の上を行き、真っ白に燃え尽きるまで戦い続けることを美徳とした▼先輩の仕事ぶりを当たり前に受け止め、実践しようとしたガンダム世代に属する筆者だが、若い頃には上司から「何を考えているのか分からない新人類」とも呼ばれた▼一つ上の世代といえば、20代のころはどこか冷めた「シラケ世代」とされた。綿々と続く若者へのレッテル貼りだが、見方を変えれば年配者はいつの時代にも若者の異質さに戸惑い、理解し、折り合いを付けようと努力している。50を過ぎてやっと気付いた。(示)

2017年3月6日 無断転載禁止