仕事みてある記 乳児から高齢者まで一生の健康サポート

高齢者を対象にした健康教室で、生活習慣の改善を優しい語り口でアドバイスする、保健師の多久和智子さん=松江市上東川津町の団地集会所
  保健師(ほけんし)

   多久和 智子(たくわ さとこ)さん (松江市乃白町)



 赤ちゃんから高齢者(こうれいしゃ)まで、住民が心身ともに健康で一生を過(す)ごせるお手伝い―。松江(まつえ)市乃白(のしら)町、市健康福祉(ふくし)部保健(ほけん)センターの保健師(し)、多久和智子(たくわさとこ)さん(37)は、医療現場(いりょうげんば)で重視(じゅうし)されてきている病気予防(よぼう)の一翼(いちよく)を地域(ちいき)で担(にな)う仕事に、ひたむきに取り組んでいます。

 松江市内の団地(だんち)集会所。高齢者を対象(たいしょう)にした健康教室の講師(こうし)を務(つと)めました。参加した70~80歳(さい)代の17人が一人ずつ、血管(けっかん)年齢を測(はか)ります。機器に年齢、身長、体重を入力し、センサーに指先を入れると、血流の変化を感知し血管年齢や肥満(ひまん)度などの数値(すうち)が表示(ひょうじ)され、結果がプリントされます。

 「年を取ると血管の中が硬(かた)くなります。肥満、高血圧(けつあつ)、たばこ、ストレスなど生活習慣(しゅうかん)も要因(よういん)です」「他の健診(けんしん)結果と見比(くら)べ、数値の高い方は医師に診(み)てもらうとよいでしょう」。数値の意味を優(やさ)しい語り口で説明していきます。

 食品に含(ふく)まれている塩分量を透明(とうめい)な容器(ようき)に入れ、目に見える形で示(しめ)し「まず1グラム減(へ)らすことを目標に」と呼(よ)びかけます。野菜を1日350グラム取るよう勧(すす)め、メタボの注意点もアドバイスしました。

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 雲南(うんなん)市出身。高校卒業後、大学の看護(かんご)学科で学び、保健師として働くために必要な看護師と保健師の国家資格(しかく)を取りました。最初、松江市立病院で看護師として働きましたが「病気にならず、日常(にちじょう)生活の場で元気に過ごせる手伝いが大事なのではないか」と思い、保健師の仕事に代わりました。

 高齢者向けの健康教室には年間二十数回出かけます。また、家庭訪問(ほうもん)や地区の健康相談で乳幼児(にゅうようじ)の発育、発達に目を配り、妊婦(にんぷ)や母親の健康・育児相談を受け、不登校などの子どもの家庭面での支援(しえん)も。地域の大人の健診、生活習慣の改善(かいぜん)や健康指導(しどう)に当たります。

 「普段(ふだん)、無意識(むいしき)にやっていることが健康上、良くないことにつながっているかもしれません。情報(じょうほう)を伝えるだけでなく、自分で習慣を振(ふ)り返(かえ)り、気づいてもらえるような働きかけを心がけています」「一日二日で成果は上がりませんので、それぞれの生き方を尊重(そんちょう)して進めています。気持ちが前向きに変わり、家庭や地域に納得(なっとく)してもらうと定着していきます」。現場(げんば)に足を運び住民らとの関係づくりを大切にしています。

 「生まれ育った所で年を重ね良かったなと思えるように、寄(よ)り添(そ)っていきたいです」


★メッセージ

 保健師の仕事は、地域住民の生涯(しょうがい)を通して、生活や生き方を支(ささ)える醍醐味(だいごみ)があります。役割(やくわり)は表立って見えにくいところはありますが、より良い環境(かんきょう)・地域をつくり、日々の暮(く)らしを豊(ゆた)かにする一員になれるのは魅力的(みりょくてき)です。いろいろな方との出会いも面白(おもしろ)いですよ。

2017年3月8日 無断転載禁止

こども新聞