レッツ連歌(下房桃菴)・3月9日付

挿絵・Azu
 「石川兄弟三人展」という催しが、出雲市平田町のぎゃらりーHand&Handで開かれております。

 レッツご常連のアキオさんと2人のお兄さんがたの、それぞれの趣味を活(い)かした木版画、植物画、それに連歌作品を一堂に展示。好評だった平成24年9月に続いて2度目の企画。アキオさんは、この間レッツに入選した作品をさらに厳選して展示なさっております。

 会期は4月1日土曜日まで(木、日曜と祝日は休館)。お祝いをかねて、みんなで押しかけましょう。

 詳しくは、アキオさん(携帯電話090・3179・0937)までお問い合わせください。

クセのある味クセになる味

タケノコの先を争う人と猪(しし)

               (益田)石田 三章

父ちゃんの妙にリズムのある鼾(いびき) (雲南)妹尾 福子

青い眼のエプロン似合う嫁が来て(江津)花田 美昭

芝浜を残して談志いなくなり  (松江)岩田 正之

豹柄の衣装が躍るユーチューブ (益田)石川アキオ

だれからか一目で分かる年賀状 (美郷)吉田 重美

グループにムードメーカー一人いて

               (出雲)熱田熊四郎

そんな人別れなさいと回答者 (奥出雲)松田多美子

予備知識ゼロで食べさせられたホヤ

               (松江)森廣 典子

ズケズケと言って言われて五十年(益田)竹内 良子

色黒でヘチャムクレてるママが好き

               (雲南)安部 小春

知る人ぞ知る路地裏のラーメン屋(松江)田中 堂太

通販で買ったクサヤに憑(と)りつかれ(松江)持田 高行

鮒鮨(ふなずし)を食べて婿だと認められ  (松江)花井 寛子

シマらないパクチー抜きのタイ料理

            (沖縄・石垣)多胡 克己

子どもには分からなくてもいいのです

               (松江)加茂 京子

ネコ缶とまだ気づかないお父さん

             (出雲)はなやのおきな

おふくろの煮物に勝てぬシェフの腕

               (松江)川津  蛙

いつものと言えば出てくる縄のれん

               (益田)吉川 洋子

天下り上手にやれと叱られて  (安来)根来 正幸

一億回再生されたピコ太郎   (益田)黒田ひかり

父さんの脱いだ靴下舐(な)めるタマ (松江)水野貴美子

蕗味噌(ふきみそ)を残して母の大往生(埼玉・所沢)栗田  枝

ニガウリを初めて食べた人偉い (松江)土江 ユミ

イヤよイヤなどと言いつつ逃げもせず

               (出雲)行長 好友

品質の揃(そろ)わないのがウリでして (松江)山崎まるむ

姑(しゅうと)から嫁に引き継ぐ味噌造り  (浜田)勝田  艶

           ◇


 蛙さんの句―。あの一流のシェフの腕をもってしても、ウチのおふくろには敵(かな)うまい、という意味に最初は受け取りました。が、よく考えてみると、「おふくろ」というのは、ひょっとして、シェフ自身のお母さん? いや、そのほうがおもしろい。

 作者に伺えば、やっぱり最初の意味だったと、案外おっしゃるかもしれません。それでもかまいません。

 ただ、作品というものは、いったん生み出されたら、もう作者の意図からは離れる。あとは「読み」の問題なのですね。入試によく出る「作者はなにを言いたかったのか」なんて、ほとんど意味のない設問だと、私は思っております。

          ◇

  勝ち目なき喧嘩(けんか)も時に受けて立ち

 突然なにごとかとお思いでしょうが、とにかく、これに続く楽しい短句(七七)をお待ちいたしております。

(島根大学名誉教授)

2017年3月9日 無断転載禁止

こども新聞