女子ログ 母と旅

 両親は新潟で専業農家を営んでいる。記憶の中の両親は、早朝から日が暮れるまでよく働き、一日中家でゆっくり過ごしたり、家族で何泊も旅行に行くということはあまりなかったように思う。

 私が成人し、母と2人で温泉へ行ったり、東京へ遊びに行ったことが何度かあった。旅の間、母はとてもうれしそうだった。何を買うわけでもなく、移動そのものを楽しみ、初めて見る風景や街の雰囲気を楽しんでいたのが印象的だった。子どものように笑顔ではしゃぐ母を見て、わくわくしているのが伝わってきた。そうか。母は旅が好きなんだ。幼い頃から働いている姿ばかりを見てきたので、母の違う一面を見た気がした。娘としては安心したと同時に母がかわいく思えた。

 現在は姉が三重、私が島根に住んでいるので、はるばる新潟から夜行バスや新幹線に乗って、娘と孫に会いにくる。三重には年2度程度、姉の帰省時に合わせ行っているようで、島根には5年前の引っ越しと2年前の息子の出産時に来てくれた。こちらの心配をよそに何時間もかかる道中も楽しんでいるようだ。

 先日、LINE(ライン)のやりとりの最後に「まだ行きたいところがたくさんあるので仕事頑張ります」とあった。相変わらず忙しい母だが、また元気なうちに一緒に旅行に行きたい。

 (島根県奥出雲町・えちご)

2017年3月10日 無断転載禁止