民進党大会/低迷の原因、再度反省を

 月末に結党1年を迎える民進党が、蓮舫代表の体制になってから初めての党大会を開催した。来るべき衆院解散・総選挙に向けて安倍政権との対決姿勢を強める構えだが、その現状は、結党宣言にうたった「政権を担うことのできる新たな政党」とは、ほど遠い低迷状態にある。

 党大会を前に、蓮舫氏ら執行部は「2030年代」としている「原発ゼロ」目標を「30年」へ繰り上げる方向で検討を始めたものの、電力総連を傘下に抱える支持組織の連合や原発推進派議員の強い反対で断念に追い込まれた。

 政権与党時代、世論を喚起しようと根回しや環境整備をしないまま高い目標を掲げて度々迷走、国民の信頼を失った前身の民主党を思い起こさせる皮肉な結果と言える。

 名前も、代表も替えても、抜け出せない低迷の要因が、民主党以来引きずる統治能力の欠如であることを、民進党はこの機会に改めて認識し直す必要がある。

 政権転落から4年余り、遅きに失していると言わざるを得ないが、今のところ、自民党に対抗しうる可能性を秘めた政党は他に見当たらない。所属議員一人一人の深い反省がいま一度必要だろう。

 閣僚経験はあるものの参院議員当選3回の蓮舫氏が昨年9月、岡田克也前代表の後任に選ばれたのは国会などでの鋭い追及に見られる発信力と、それを背景とした高い知名度と人気からだった。

 東京選挙区で、ここ2回、連続して百数十万票を獲得する集票力も買われ、来るべき東京都知事選や衆院選に当たっての「党の顔」を期待されていた。党の支持率が上向くとの見方から党内には楽観論が、安倍政権には警戒感が生まれていた。

 しかし代表選の最中、蓮舫氏に指摘された二重国籍問題に対する説明が二転三転した揚げ句、事実だったことが判明。問題そのものではなく、表面化から結末までの揺れた対応がイメージを傷つけ、支持は持ち直していない。

 また、政権転落時の首相、代表で党内から「下野の戦犯」視されていた野田佳彦氏を幹事長に起用する身内重視の人事や、腰が定まらない共産党との選挙協力の在り方が党内の求心力も失わせた。

 党内の対立を恐れて本格的な憲法論議も封印、行き詰まりつつあるアベノミクスに対する経済政策も打ち出せておらず、党勢回復は安倍政権側の「敵失待ち」状態だ。

 約1年前の結党大会に来賓として呼ばれた脳科学者の茂木健一郎氏は、人工知能(AI)を搭載した囲碁ソフトが強くなったのは「反省を覚えたから」とした上で次のように述べた。

 「反省とは、皆さんが過去に行った選択に対して、プランBは何だったのか、どのような他の選択ができたのかということを検討することです」

 前身である民主党はかつて政権運営の総括で、「党運営の最大の問題は、まとまりのなさ。幹部のばらばらな言動は大きなダメージとなり、決定したことを守るというルールは定着しなかった」ことを挙げた。

 「プランB」「他の選択」の方向性はすでに明確だ。足りないのは、たとえ困難であっても、それを行動に移す覚悟だろう。

2017年3月13日 無断転載禁止