「二分の一成人式」定着 家族に感謝、絆深まる

二分の一成人式で、幼い頃の写真を眺める子どもら
 10歳を祝う「二分の一成人式」が鳥取県内各地の小学校で行われている。生まれてからの思い出を写真などで振り返り、保護者に感謝の気持ちを伝える行事だ。「自分に対する家族の思いが分かり、つながりが深まる」と評価する声がある。一方、成育環境が複雑な子どもの場合には親との思い出が少ない場合もあるとして、「配慮が必要」との指摘も出ている。

 2月中旬、伯耆町の小学校で二分の一成人式が開かれた。「かわいい」「え~誰?」。赤ちゃんの時の写真を全員で見ながら、誰の写真かを予想した。「ご飯をつくってくれてありがとう」「産んでくれてありがとう」。参加した保護者に感謝を伝えるコーナーでは、涙で言葉にならない子どももいた。校長は「自分一人で大きくなったのではないと分かる。あらためて家族に感謝して、本当の成人までもっと頑張ろうと決意できる」と二分の一成人式の意義を語る。

 県教育委員会などによると、少なくとも10年程前には開かれていた。現在では県内外でかなり定着しているとみられるという。

 幼少時の思い出にさかのぼるケースが多いため、対応に悩む保護者も一部にいる。大山町の女性(64)が育てる2人の里子が今春、二分の一成人式に参加した。幼少時の思い出を踏まえて感謝の手紙を読む場面があったが、離れて暮らす親に幼い頃の記憶を聞き取るのには限界があり、「困った面があった」と振り返る。「自分の境遇と向き合って踏ん切りをつけ、まわりに負けないぞと思うきっかけになる」と式自体の意義を認めつつ、それぞれの事情に配慮した内容で行ってほしいと求める。

 元小学校長の金田吉人さん(68)=大山町松河原=は「大人になる時が近づいているという自覚を持たせるのが大事だ」と話す。過去を振り返る以上に、「これから」に意識を向かわせる内容とする重要性を指摘している。

2017年3月15日 無断転載禁止