お母さんに優しい

 福祉大国であるフィンランドは「お母さんに優しい国」と言われている。国際的な非政府組織(NGO)によるランキングで世界1に選ばれたこともある。そのフィンランドに「ネウボラ」という制度があるそうだ。アドバイスの場の意味で、妊娠中から就学前まで子育てを行政が一貫して支援し、母親らに頼りにされているという▼島根県邑南町がこの制度にヒントを得た取り組みを新年度から始める。役場に子育てに関するあらゆる相談を受け付ける「子ども丸ごと相談室」を設置。保健師らを配置して住民から医療や育児などに関する悩みを聴き、専門の機関につなぐワンストップサービスを目指す▼中学生まで医療費無料化など子育て支援に力を入れている同町では30代の子育て世代を中心に移住者が増え、2013年度から4年連続で人口の社会増を達成できる見通しという▼ただ問題は、このままでは待機児童が出かねないという保育士不足。今のところ何とか持ちこたえているが、いつ「保育園落ちた」という声が上がるか綱渡りの保育所運営が続く▼町子育て村推進本部員を務める公立邑智病院の荘田恭仁院長は「昔は子育てを手伝ってくれる人が近所にいた。資格を持った人なら年齢に関係なく採用すべきだ」▼「日本一の子育て村」のスローガンにひかれて同町に移住してきた子育て世代も多い。高齢化は進んでいるが元気なお年寄りもいる。隣近所で子育てを支え合うことができないものか。世代を超えて広がれネウボラ。(前)

2017年3月16日 無断転載禁止