女子ログ Iターン妻の悩み

 3年前、仕事の都合で米子へ来た。縁あってこちらで結婚。30年以上連れ添った京都府民の肩書と別れを告げ、鳥取県民になった。

 鳥取に来てすぐの頃は、住民主体で地域活性化に取り組むなど地元愛にあふれている人が多い印象で、都市部で育った私には新鮮に、またうらやましくも思えた。しかしいざ自分が「住民」としてこの地に生きていくとなると、キレイゴトでは済まされない、ちょっとした違和感を覚え始めた。

 お気に入りの洋服屋や雑貨店は山陰にはない。趣向をそう簡単に変えられるはずもなく帰省した時にまとめて買ってしまう。しかし周囲はなんだか地産地消ムード。いつも県外で買い物しているなんて言い難い。「○○はなくても△△はある」という鳥取のキャッチフレーズも、何でも手に入る地元に帰るたびに少し切なくなっていた。地域の皆さんの地元愛が私にはまぶしすぎたし、Iターンだからと必要以上に地域の理解者になるのも違う気がしていた。

 そんな時に車の窓から見た景色。子供たちが横断歩道を渡った後、待っているドライバーに「ありがとう」と頭を下げる姿だった。青信号なのだから堂々と渡ってもいいものの、地域が育んだ優しさにこちらが頭の下がる思いだった。「モノはなくてもココロがある」。構えずゆっくりこの地域と向き合っていけばいい、そんな気持ちになった。

  (境港市・コフィー)

2017年3月18日 無断転載禁止