三朝・投入堂 秘仏850年ぶりの修復終え帰山

修理を終えた正本尊の蔵王権現立像を搬入する美術院の担当者=鳥取県三朝町三徳、三仏寺宝物殿
 日本遺産の構成要素で、国宝・三仏寺投入堂(鳥取県三朝町三徳)に安置されていた正本尊と脇侍の蔵王権現立像(ともに国重要文化財)2体が22日、美術院国宝修理所(京都市東山区)での修理を終え、8カ月ぶりに帰ってきた。正本尊は12世紀の平安時代に安置されてから門外不出の秘仏だったが、約850年ぶりの化粧直しから里帰りした。

 同寺によると、東京都内での展示会に出品する予定だったが、劣化が激しいため文化庁からストップが掛かり、昨年5月に京都国立博物館内の同修理所へ搬出していた。

 この日、同博物館学芸部連携協力室の浅湫(あさぬま)毅室長ら関係者約10人が立ち会い、同寺宝物殿に搬入した。仏像全体を覆っていた白い布を担当者が丁寧にはいで、台座に安置し、ガラスケースに収めた。

 正本尊は高さ1・15メートルでヒノキの寄せ木造り。胎内の文書から仏師・康慶(運慶、快慶の師匠)が製作し、1168(仁安3)年に奉納したことが分かっている。何度か修復した記録はあるが、全て寺院内で作業しており、寺の外へ出るのは初めてだったという。

 修理担当者によると、体全体に張ってある金箔(きんぱく)と漆が浮き上がり、剥げ落ちる危険性があったため、劣化防止の措置を施した。

 投入堂には、正本尊のほか脇侍6体の蔵王権現が安置してあった。今回、修理した脇侍は、このうちの1体で、腕部分の鎹(かすがい)にあった錆(さ)びを除去した。

 23日午前10時から、同寺で開眼法要がある。今後、本堂での公開を検討する。

 同寺の米田良中住職(72)は「中部地震からの復旧・復興に励んでいる時期の帰山であり、さらに拍車がかかるという兆候ではないか」と喜んでいる。

2017年3月23日 無断転載禁止