女子ログ 初ラピュタ

 先日、7歳の息子が「バルスって何?」と聞いてきました。クラスの友達が言っていたけど、自分だけ分からなかったそうです。もちろん、宮崎駿監督の名作「天空の城ラピュタ」に出てくる有名な呪文。ノーメディア推奨の保育園育ちだったのでDVD等はあまり見せていませんでしたが、そろそろ解禁するか、とその週末、一緒に見ることにしました。

 始まると案の定、息子は全神経を集中して見ています。さて、さらわれたシータを救うためラピュタへ向かおうという場面。女海賊のドーラがパズーに問います。「この家には二度と帰ってこられないかもしれないよ、いいのかい?」。息子は自分がそう言われたかのように、力強くうなずきました。

 完全に主人公と同化しているその姿を後ろから眺めながら、うらやましくなりました。彼の前にはこの先、初めて見る宮崎アニメ、初めて読むドラえもん、ドラゴンボール、スラムダンク、その他もろもろ名作が待っているのです。

 例えが壮大で恐縮ですが、岡倉天心は東京美術学校での日本美術史講義で、薬師寺東院堂の聖観音像の素晴らしさについて学生たちに「あの像をこれから初めて見られる君たちは幸いだ」と言ったとか。昔はそんなものか、と思いつつ聞いたこのエピソード。今は「分かるよ、分かる!」と思う母でした。

    (出雲市・海苔蔵)

2017年3月23日 無断転載禁止