レッツ連歌(下房桃菴)・3月23日付

挿絵・麦倉うさぎ
◎祖母の日記の波乱万丈

桐箪笥(きりだんす)持ってきたまま蔵の中

            (兵庫・明石)折田 小枝

なにごともなかったような顔をして

               (松江)森廣 典子

この事件なけりゃ生まれていないボク

               (松江)永瀬 秋風

別々の墓に入れたがいいんじゃない

               (出雲)矢田カズエ

◎古新聞の連歌切り抜き

ライバルが増えてフンドシ締め直し

               (浜田)勝田  艶

◎吠(ほ)えずにおくれお利口だから

トランプの今日も過激なツイッター

               (江津)大岩 郁夫

◎ジジがもらった明治の恋文

村長の家に嫁いだジュリエット (益田)黒田ひかり

◎母さん代わってパソコンを打ち

夜明け前やっと卒論できあがり (益田)石川アキオ

◎道具にだけは惜しまない金

だれ一人作品ほめてくれもせず (松江)花井 寛子

◎新手の詐欺だあぶないあぶない

格安であなたも買える国有地  (松江)岩田 正之

◎徳利傾け覗(のぞ)き込む孫

脈々とDNAは引き継がれ (出雲)はなやのおきな

◎バスは朝夕二便しかない

イノシシは日に何回も往復し  (川本)大畑喜美子

トンネルを通り抜けてくリニアカー

               (出雲)行長 好友

◎チンするだけのおかず五十種

ママのよりうまいと子らと目配せし

               (益田)可部 章二

◎見て見ぬフリのハデなお化粧

許せないミニスカートに網タイツ

             (隠岐の島)中前さつき

◎家庭教師にママ一目ぼれ

今日もついボクはスマホにのめり込み

               (松江)佐々木郁雄

◎国際線の元スチュワーデス

お辞儀する角度は今も三十度  (松江)川津  蛙

寝言まで英語ドイツ語フランス語(出雲)栗田  枝

出雲弁よせて話せる五か国語  (松江)三島 啓克

スカーフを巻くと足腰シャンとする

               (松江)土江 ユミ

スーパーのカート押すにもハイヒール

               (雲南)錦織 博子

◎バアはこっそり歳暮中元

学校の認可三日で下りました  (浜田)放ヒサユキ

◎ゆうべの雨で融けた大雪

ホッとしたとたんに腰が痛くなり(松江)水野貴美子

◎東京大学みごと合格

駅前に横断幕が張り出され   (江津)花田 美昭

また一人人口の減る過疎の村  (出雲)原  陽子

四〇億光年先を見つめてる(石川・金沢)松川 杏花

                ◇

 ヒサユキさんの作品は、最新の話題をネタにした辛口の時事句。名誉校長はどなたでしょうか。

 同じ前句に付けた「遠慮せず桃菴センセ受け取られ」という句もありましたが、このほうは残念ながらボツ。

 ボツにしたのには、はっきりした理由があります。それは、…いや、よしましょう。ご本人がご自身でお気づきくださるのが、ほんとうはいちばんよい。みなさんも、いっしょに考えてみてください。

                ◇

 今度は、きょうの入選句を前句に選んで、それに短句(七七)を付けてください。

 内容が打越(うちこし)の句(◎印の句)に戻っていないか、最後にいま一度ご確認のほど!

              (島根大学名誉教授)

2017年3月23日 無断転載禁止

こども新聞