鳥取の4姉妹

 「若草物語」ならぬ「わかとり物語」として鳥取県内4市を擬人化したら、長女・鳥取市はわがままで強引な性格。県立美術館の誘致では「長女の権利」を声高に叫び周囲をあきれさせた。妹はおとなしい三女・倉吉市、しっかり者の四女・境港市といったところか▼注目したいのは多芸で飽きっぽい次女・米子市。平成の大合併で、鳥取市が有無を言わせず周辺8町村との合併を主導したのに対し、米子市は頼りないと見られ、振られまくった▼唯一寄り添った旧淀江町の町長が「県西部の地域づくりは始まったばかり。この合併がスタートと言っても過言でない」とリーダーシップを促したのと対照的に、市長は合併にこぎ着けた安堵(あんど)感を漂わせ、前途多難を思わせた▼商都、鉄道の街など多彩な顔があり可能性を秘めた街。「何でもありが米子の良さ」との見方も一理あるが、対外的な発信を考えると選択と集中が必要ではないか▼合併当時、新市の目玉事業として「文化創造計画」を掲げ、狭義の文化にとどまらず「米子らしさ」を模索する姿勢を示した。県西部や中海圏域での求心力を考えても街の個性は明確であるべきと期待した▼あれから12年。市立図書館や市美術館が改装されたが文化創造計画の精神が忘れられていないかと気をもむ。例えば、米子城三の丸だった湊山球場を史跡公園化する市方針に対し、鳥取大医学部に提供すべきとの異論があるのは好機。城下町か、健康の街か。議論の積み重ねから、米子らしさが定まってくる。(志)

2017年3月24日 無断転載禁止