地価下落率全国一

 家を建てたり店を出したりするのに、土地代が高すぎては困るが、土地の値段は経済の重要な指標でもある。下落は地域に活力が乏しいと見られてしまう▼21日に発表された公示地価で、米子市の中心市街地に位置する角盤町1丁目の下落幅は全国最大の10・1%に達した。調査地点は昨年1月に破綻して閉店した大型店「やよいデパート」の真正面だ▼すぐ近くにある高島屋とともに、やよいは半世紀近く市街地に活気をもたらしてきたのだと思い知った。全国的にはマイナス金利の効果から土地の需要は好調で、地価は下げ止まり傾向。それだけに全国一となった米子の「地盤沈下」が目立つ▼下落自体は悪いことばかりではない。1990年代、各地の商店街に若者向けの古着屋や雑貨店が次々と登場した時期があった。理由はバブル崩壊。商店街のテナント料が下がり、やる気のある若い経営者たちの背中を押し、にぎわい創出に一役買った。角盤町一帯が米子で最も土地の値段が高いことに変わりはない。ここは新規出店を促す好機と捉えたい▼焦点は最大の空き店舗となるやよいの跡地利用。物件を購入した不動産業者は、老朽化した店舗を解体して更地にし、駐車場にする意向だが、それではかつてのにぎわいは取り戻せない▼4月9日告示の米子市長選は、中心市街地の将来像も大きなテーマ。人口減少が進行する中、中核機能の一翼を担う米子で、人々が集うゾーンをどう維持していくのか。圏域のリーダーとしての覚悟を問う。(示)

2017年3月27日 無断転載禁止